
近年、フリーランスという働き方が注目を集めています。管理栄養士でも企業や病院に勤務するだけでなく、自分のスキルを活かして自由な働き方を選ぶ人が増えています。しかし、自由な反面、収入の不安定さや仕事の獲得方法など、課題も少なくありません。
今回は、食と心の両面で活躍するフリーランス管理栄養士・なかでさんにインタビューを実施しました。独立のきっかけや仕事の内容、やりがいと大変さ、フリーランスを目指す人へのアドバイスまで、リアルな声をお届けします!

Contents
フリーランスになったきっかけと経緯
フリーランスになろうと思ったきっかけは??
大きく2つあります。1つ目は結婚。パートナーの仕事が定住を前提としない働き方だったため、私自身も場所にとらわれない働き方を考えました。2つ目は社会人大学院の修了。学びを活かし、社会に貢献できるキャリアを自由に築きたいという思いがありました。
会社員時代はどのような仕事をしていましたか?
行政機関に勤務していました。中でもこども園での経験が長く、献立作成、発注、調理、衛生管理、食育など幅広い業務に携わっていました。
独立前に不安だったことは?
フリーランスとしての働き方や収入、仕事の実態についてまったく知識がなく、つながりもゼロ。何が不安なのかも分からないほど、漠然とした不安がありました。
フリーランスとして最初に始めたことは?
最初の仕事は、アプリを用いた食事指導を法人から受託しました。対象者様の食事写真をもとに、PFCバランスなど栄養面のコメントをお返しする内容でした。成人を対象とする仕事が初めてだった私にとって、調べる時間や言葉を咀嚼する時間を十分に確保できたことで、無理なく始められる第一歩になりました。
フリーランス管理栄養士の仕事と働き方は?
現在どんな仕事をしていますか?
「食」と「心」の領域で仕事をしています。特に、管理栄養士・栄養士をはじめとする支援者が「自分自身の心にも目を向けながら、相手の心身の健康を育んでいく」——そんな「支える人のためのウェルビーイング実践」として、健康心理学に基づいた支援・教育に力を注いでいます。
そのほか、食事カウンセリングやコーチング、ヘルスケアコラムの執筆、研修講師、研究補助業務なども行っています。
1日のスケジュールは
日によって異なりますが、9時頃に稼働を始め、午前は主に作業時間。昼食後はコラム執筆や講師準備を行い、会議がある日は夕方〜夜に予定が入ることもあります。その日の予定や気分に合わせて、自宅やカフェなど、心地よい場所で仕事をしています。
ヘルスケアライターとしての活動について教えてください

ヘルスケアライターとは?
健康情報を、科学的根拠に基づき、わかりやすく伝えるライターのことです。専門性と責任が求められる分、やりがいも大きく、不特定多数に情報を届けられる点も魅力です。
どうやってなるの?報酬やメリットは?
表現力や、科学的根拠を的確に整理する力が求められます。独学よりも、体系的なカリキュラムで学ぶことで、効果的かつ効率的に活躍できると感じます。
報酬は媒体や実績によって異なりますが、一般的なライティングに比べて比較的高単価であることが多いです。大手メディアとの仕事につながることもあり、私の場合は、ずっと愛読していた雑誌でコラム掲載が決まり、とても嬉しいご縁となりました。
フリーランス管理栄養士の魅力とは?
会社員時代と比べてよかったことは?
枠に捉われず、価値提供の方法を試行錯誤しながら、自由にキャリアをデザインできる点が最大の魅力です。
やりがいを感じる瞬間は?
自分の中にある想いや専門性を形にしたサービスが、誰かの力になり、感謝の言葉をいただける瞬間です。また、尊敬し合える仲間とともに働けることも、日々のやりがいにつながっています。
苦労とその乗り越え方
働き方に自由がある分、生活リズムの調整や収入の安定に難しさを感じることもあります。そんな時はセルフコーチングを通じて、自分を客観的に見つめ直すことを心がけています。専門知識や業務スキルと同じくらい、「自分を整える力」も大切だと感じています。

情報発信と今後の展望を教えてください
Instagram・note・Facebookを活用し、活動報告や実績、日々の気づきなどを発信しています。 今後も、支援者が「自分自身の心にも目を向けながら、相手の心身の健康を育んでいく」——そんな「支える人のためのウェルビーイング実践」として、健康心理学に基づいた支援・教育に力を注いでまいります。
具体的には、自身が開発した支援者向けプログラム「well-being for two program」を、一人でも多くの必要とする方に届けていきたいと考えています。
フリーランスを目指す人へのアドバイス
「なぜフリーランスを目指すのか」「どんなことを実現したいのか」「どんな仕事に取り組みたいのか」「どんな自分でありたいのか」——そんな問いを自分自身に投げかけながら、一歩ずつ具体的に動き始めることが大切だと思います。
一人で考えるのが難しければ、すでに活躍している人に会いに行ったり、コミュニティに参加したりするのもおすすめですよ。
最後に、なかでさんからのメッセージ!
「自分次第で可能性は無限大です。もし迷ったときは、自分を信じて進んでいる人のそばに行ってみてください。きっと、新しい世界が見えてくると思いますよ!」