良かれと思って飲みすぎてない?スポーツドリンクとの付き合い方を徹底解説

スポーツドリンクとの付き合い方を徹底解説

汗ばむ季節がやってきました。
水分補給のために、スポーツドリンクを日ごろから飲んでいませんか。
良かれと思って知らず知らずのうちにスポーツドリンクを飲みすぎていると、怖い病気に繋がる恐れがあります。
この記事では、知っておきたいスポーツドリンクとの上手な付き合い方について解説します。

スポーツドリンクの中身とは?

そもそもスポーツドリンクにはどんな栄養素が含まれているかご存じでしょうか。スポーツドリンクには、水分の他にエネルギー源となる糖質、ミネラルやビタミンなどが含まれています[1]。

飲みどきはズバリ!?

スポーツドリンクとの付き合い方を徹底解説

スポーツドリンクは運動や作業などにより大量に汗をかく時に飲むと良いでしょう。なぜなら大量に汗をかく時には、水分だけでなく、糖質を中心としたエネルギー(カロリー)、塩分(ナトリウム)をはじめとしたミネラルやビタミンが失われてしまうからです。これらが不足することによって、さまざまな危険が起こりえます。例えば、ナトリウムが不足することによって、倦怠感や吐き気、嘔吐、筋肉のこむら返りなどの症状が見られることがあるのです。

汗をかく量や運動時間によって、体に必要な糖質量や塩分量は異なるため、状況にあわせて飲む量を調整しましょう[2,3,4]。

知っておいてほしい!スポーツドリンクに潜む3つの危険

スポーツドリンクを適切なシーンやタイミングで飲む分には問題ありません。しかし、日ごろから水分補給として飲む分には注意が必要です。ここでは、その理由を解説します。

1.カロリーのとりすぎ

スポーツドリンクとの付き合い方を徹底解説

スポーツドリンクのカロリーは、500ml1本あたり100kcalほどです[5]。

つまり、1本を飲みきると間食の適量(1日200kcalほど)の半分以上のカロリーをとることになります [6]。そのため、スポーツドリンクの量や間食量を調整せずに、スポーツドリンクを日ごろから大量に飲んでいると、カロリーのとりすぎにつながることがあるのです。その結果、肥満をまねくこともあります。

また、小食な方の場合、お腹が減らず、食事量が減り、体に必要な栄養素を取り入れられないことがあるのです。

2.ペットボトル症候群

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ペットボトル症候群とは、吸収の早い糖類を含む炭酸飲料やスポーツドリンクをたくさん飲むことで、高血糖状態になることを言います。

血糖値が上昇するとのどが渇くため、さらに飲んでしまうという悪循環におちいることがあるのです。重度の場合には、意識がもうろうとし、昏睡状態となることもあります[1]。

3.むし歯のリスクが高まる

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糖類をとる量に加えて、とる回数が多いほど、むし歯のリスクが高まることが分かっています。そのため、日ごろから糖類を含むスポーツドリンクを飲むことで、むし歯のリスクが上がるのです[7]。

コレでOK!日常的な水分補給

運動や肉体労働などで大量に汗をかく時以外には、糖類の含まれてない水やお茶でこまめに水分補給するようにしましょう。1日あたり1.2Lが目安とされています[4]。

また、ご飯や野菜、汁物などにも水分が含まれているため、食事からも水分を補給することができます[8]。暑さで食欲が低下し、食事量が減ってしまうと水分が不足しやすくなるため、具だくさんのスープなどを取り入れると良いでしょう。

スポーツドリンクと上手に付き合おう

スポーツドリンクを日ごろから水分補給を目的として取り入れるのではなく、メリットとデメリットを理解した上で、状況に合わせて取り入れることが大切です。
上手に水分補給をして、夏の暑さを乗りきりましょう。

【参考文献】(すべて2024年4月21日閲覧)
[1] 厚生労働省, e-ヘルスネット, 嗜好飲料(アルコール飲料を除く)
[2] 一般社団法人全国清涼飲料連合会, 健康のため、かしこく飲みましょう
[3] ハイパフォーマンススポーツセンター, スポーツドリンク
[4] 環境省, 熱中症環境保健マニュアル2022
[5] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年,し好飲料類/<その他>/スポーツドリンク
[6] 厚生労働省, e-ヘルスネット, 間食のエネルギー(カロリー)
[7] 厚生労働省, e-ヘルスネット, 甘味(砂糖)の適正摂取方法
[8] 厚生労働省, 日本人の食事摂取基準(2020年版), p374

著者プロフィール

心理学修士/管理栄養士 なかで かおる

管理栄養士・学術修士(心理学) なかで かおる
一人でも多くの人の心身の調子を整えることを目指して活動中。学術修士では、食行動と動機づけに関する研究にて学位を取得。栄養疫学と健康心理学を軸に、食の領域では特定保健指導、ジムでの栄養指導、食と健康に関するコラム執筆、研究補助等、心の領域ではコーチングセッション、心の健康に関するコラム執筆、研究補助等を行う。
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