
近年、フリーランスという働き方が注目を集めています。管理栄養士も例外ではなく、企業や病院に勤務するだけでなく、自分のスキルを活かして自由な働き方を選ぶ人が増えています。しかし、自由な反面、収入の不安定さや仕事の獲得方法など、課題も少なくありません。
そこで今回は、フリーランス管理栄養士として活躍する平松さんにインタビューを実施しました。独立のきっかけや仕事の内容、やりがいと大変さ、フリーランスを目指す人へのアドバイスまで、リアルな声をお届けします!

Contents
フリーランス管理栄養士になったきっかけと経緯
フリーランスになろうと思ったきっかけは?
自宅で働けることに憧れがありました。最初は自宅サロンや料理教室を考えていましたが、難しいと感じていたんです。ただ、自分のスキルを活かして仕事をすることには強い憧れがありました。
会社員時代はどのような仕事を?
社員食堂で働いていました。10年ほど勤務し、一番長く続いた仕事です。その前は転職を繰り返していましたが、最終的に社員食堂で落ち着きました。
独立前に不安だったことは?
一番の不安は収入面でした。生活できるだけの収益を上げられるのかが心配でしたね。独立を決めた大きなきっかけは、子どもが小学校に上がることでした。出勤時間を遅らせる必要があったのですが、工場勤務だったため調整が難しく、事務職への異動を提案されました。それをきっかけに、『自分で仕事をする道』を真剣に考え始めました。
フリーランス管理栄養士の仕事と働き方は?
現在どんな仕事をしていますか?
ジュニアアスリート向けの栄養講座を行い、お子さんの栄養をサポートするお母さん向けにマンツーマンで支援をしています。他には、企業やスポーツカフェから受託した栄養価計算やRD(リサーチダイエティシャン)として栄養価計算や食事ヒアリングの仕事をしています。
RDは聞き馴染みのない仕事ですね。仕事内容とその魅力を教えてください。
私が携わることが多い業務は、食品臨床試験での効果検証に必要な、参加者さんの食事の栄養評価です。実務で培ってきた栄養価計算の経験と、新たに学んだ知識をかけ合わせることで仕事に価値が生まれる点が魅力的です。レシピの栄養価計算より高単価で受注することができるので収入面での魅力も大きいです。
1日のスケジュールはどのような感じですか?
朝は子どもを保育園に送ってから、9時半ごろから作業を開始します。昼はミーティングが入ることが多く、合間に食事を取ります。夕方5時頃には仕事を終えて、子どもの迎えや夕食の準備に入ります。基本的に自由な働き方ができますが、家での作業が多いですね。
フリーランス管理栄養士の魅力とは?

会社員時代と比べて、良かったことは?
一番は、子どもの習い事や体調不良の際に柔軟に対応できることですね。会社員時代は決まった時間に働く必要があり、子どもの送り迎えや急な休みに対応しづらかったです。今は自分のペースでスケジュールを調整できるので、とても助かっています。
仕事の中でやりがいを感じる瞬間は?
お客様から『アドバイスを取り入れたら良くなった!』と言われる瞬間ですね。また、フリーランスになってから仲間が増えたことも大きな喜びです。以前の職場では孤独を感じることもありましたが、今はオンラインでつながる仲間がいて、情報交換やモチベーションの維持につながっています。
仕事の取り方・広げ方
どのように仕事を獲得していますか?
SNSの活用が大きいですね。過去の記事を見て依頼してくれる方もいますし、外に出て人と関わることで仕事の紹介が生まれることもあります。コツコツと発信を続けることが大切です。
フリーランス管理栄養士の苦労と対策
仕事がない時期はどのように過ごしていますか?
人と話すことが大事ですね。また、仕事がない時期は無理に何かをしようとせず、一旦休むことも大切です。自分がやりたくてやっていることなので、追い込みすぎないようにしています。
これからフリーランスを目指す人へアドバイス
フリーランスに向いている人、向いていない人の特徴は?
勢いも大事ですが、頼れる制度を活用することも重要です。私は開業届をすぐに出しましたが、もう少し計画的にやればよかったと思う部分もあります。現実的な準備をしておくことが大事ですね。
どんな人にフリーランスがおすすめですか?
誰でも向いている部分があり、向いていない部分もあると思います。私は縛られるのが嫌なのでフリーランスに向いていますが、コツコツやるのが苦手なので向いていない部分もあります。結局のところ、自分次第ですね。
自分に合った働き方を考えよう
フリーランスは自由ですが、その分自己管理が求められます。やりがいと大変さの両面を知り、自分に合った働き方を見極めることが大切です。
最後に、平松さんからのメッセージ!
「楽しいし、自分がやりたいことを仕事にできるのは幸せなことです。やりたいと思ったら挑戦してみる価値があります。失敗しても経験は無駄になりませんし、元の仕事に戻ることもできます。とにかく『やりたいことをやろう』!」