
近年、働き方の多様化が進み、管理栄養士の世界でもフリーランスという選択肢が広がっています。会社員として決まった時間や場所で働くのではなく、自分のライフスタイルに合わせて柔軟に働ける点が魅力です。一方で、収入の不安定さや自己管理の難しさといった課題もあります。
今回は、フリーランス管理栄養士として活躍されている諏訪さんにお話を伺いました。独立のきっかけや現在の仕事内容、フリーランスのメリット・デメリット、そしてこれから目指す方へのアドバイスをお届けします!

Contents
フリーランスになったきっかけと経緯
フリーランスを目指した理由は?
一番の理由は出産です。子育てと仕事の両立を考えたとき、時間や場所に縛られる働き方では難しいと感じたのがきっかけでした。
もともと会社員だったのですか?
はい。委託給食会社で社員食堂部門を担当していました。週5日決まった時間に出社するごく一般的な働き方でしたが、出産を機に子どもを優先できる自由度の高い働き方をしたいと思うようになりました。そこでまず副業を始め、会社員を続けながら料理教室やライターなどの仕事に挑戦。現在は正社員からパートへ契約を変更し、週2日の勤務と個人事業を両立しています。
どうやって週2日のパート勤務が可能になったのですか?
今の会社の仕事も大好きなので、ありがたい機会をいただけたことに感謝しています。同じ職場で長く働き、常に期待に応える姿勢を持って取り組んできたことで信頼を得られたのだと思います。「必要とされる人材でありたい」という意識を大切にしてきました。
個人事業主になる前に不安だったことは?
やはり収入面ですね。私は慎重な性格なので、いきなり独立はせず、副業として少しずつ準備を進めました。会社員としての安定した収入があったことで、気持ちに余裕を持って取り組めました。
フリーランス管理栄養士の仕事とは?

現在のお仕事は??
ダイエットに関する食事カウンセリング、離乳食相談、栄養価計算の業務委託などを行っています。また、RD(リサーチダイエティシャン)として臨床研究に携わり、食事ヒアリングや栄養価計算も担当しています。
RD(リサーチダイエティシャン)の仕事とは?
主に臨床研究における食事ヒアリングと栄養価計算です。高い精度や専門的な知識が求められますが、その分やりがいがあり、単価も高い点が魅力です。管理栄養士の資格をしっかり活かせる分野だと感じています。
1日のスケジュールは?
朝8時頃に家族を送り出したあと家事を済ませ、9時から仕事をスタートします。作業はパソコン中心で、自宅やカフェで行うことが多いですね。カフェで仕事をするライフスタイルに憧れていたので、今の働き方はとても気に入っています。
16時頃に子どもが帰宅するので、それ以降は育児中心の時間に。夜、子どもを寝かしつけた後には、資料作成をしたり、勉強会に参加したりすることもあります。子どもと一緒に寝てしまいそうになるので、毎晩が寝落ちとの戦いです(笑)
フリーランスの魅力とは?
会社員時代と比べて、よかった点は?
時間や場所に縛られず、自分でスケジュールを組めることです。子どもの予定や急な体調不良などにも柔軟に対応でき、精神的なストレスがかなり軽減されました。旅行が好きなので、好きなタイミングで予定を組めるのも嬉しいですね。
フリーランスのリアル:苦労と対策
苦労したことは?
初めて開催した離乳食講座が思うように集客できず、個人でビジネスを展開することの難しさを痛感しました。副業からのスタートだったため金銭的な不安は少なかったですが、その分時間の余裕はなく、休日も仕事をしている状態に。「これって本当に子どものため?」と、目的を見失いかけた時期もありました。
これからフリーランスを目指す人へアドバイス

フリーランスに必要なスキルは?
自分のやりたいことを追求することも大切ですが、何より「相手に喜ばれること」を意識することが成功のカギです。顧客心理やビジネススキルなど、会社員時代には学ぶ機会が少なかった分野の知識も必要だと感じています。
フリーランスに向けた準備で大切なことは?
私は収入面の不安があったため、副業から始めました。安心感がある一方で、労力が分散してしまうため、理想のライフスタイルの実現には時間がかかりました。貯金がある方であれば、思い切って独立に踏み切るのもひとつの選択です。また、「なぜフリーランスになりたいのか」を明確にすることがとても大切です。
自分に合った働き方を考えよう
フリーランスは自由ですが、その分自己管理が求められます。やりがいと大変さの両面を知り、自分に合った働き方を見極めることが大切です。
最後に、諏訪さんからのメッセージ!
「私は会社員としてのメリットも実感していますし、フリーランスになるまでの道のりは決して簡単ではありません。でも、自分の理想に少しずつ近づいている実感があるからこそ、フリーランスになってよかったと心から思えます。まずはできることから、小さな一歩を踏み出してみてください。きっと、新しい世界が広がっていきますよ!」