
健康への関心の高まりから、管理栄養士の需要は増加し、その働き方も多様化しています。その中でも、企業に雇用されずに自由に働くフリーランス管理栄養士に興味を持つ方は多いのではないでしょうか?
本記事では、フリーランス管理栄養士の働き方や必要なスキル、収入の目安などについて紹介します。
Contents
フリーランス管理栄養士の働き方と収入
フリーランス管理栄養士の働き方は、大きく分けて「起業型」と「独立型」の2種類があります。収入は働き方によって大きく異なります。
起業型
起業型の働き方では、自身の商品やサービスを販売します。 例えば、オリジナルレシピの販売、栄養指導、セミナー開催などが含まれます。 起業型では、自分の知識や経験を活かして自由にビジネスを展開でき、高収入を得る可能性がありますが、マーケティングや営業のスキルなど、ビジネススキルが必要です。
独立型
独立型は、企業や個人と業務委託契約を結び、仕事を受注する形です。 例えば、Webライターとして記事を執筆したり、企業の健康管理業務を請け負うなどの方法があります。 比較的始めやすいメリットがありますが、継続的な依頼を得るには信頼と実績を積み上げる必要があります。独立型では安定した収入を得やすいものの、仲介手数料などが発生することがあり、報酬の単価が低い傾向があります。案件によって求められるスキルが異なるため、自身の適性に合わせた選択が重要です。
独立型フリーランス管理栄養士の主な仕事内容

ここからは独立型の働き方にフォーカスして、実際にフリーランス管理栄養士が活躍している仕事内容を紹介します。
1. 記事執筆
クラウドソーシングなどでも需要の高い記事執筆の仕事には、管理栄養士の専門性を求めているものも数多くあります。主な2つを紹介します。
コラム執筆
Webメディアや企業のサイトなどで、栄養や健康に関する記事を執筆します。 科学的根拠に基づいた情報を提供することが求められます。また、コラムをよりたくさんの人に読んでもらうためのWebに関する知識も必要になります。
PRコメント
健康食品やサプリメントなどの商品に含まれている栄養素や健康効果についてのコメントをする仕事です。誤解を招く表現をしないよう、専門家としての知識のアップデートが重要です。
2. 料理関連の仕事
料理を得意とする管理栄養士が活躍する場として、下記のような働き方があります。
レシピ開発
特定の目的に合わせた料理のレシピを考案する仕事です。美味しい料理を作るだけでなく、栄養バランス・健康効果・食べやすさ・調理のしやすさなど管理栄養士の専門知識を活かしたレシピ開発は需要が高く、メディアや企業からの依頼が多くあります。
料理写真撮影
レシピ開発と同時に依頼されることが多く、写真撮影スキルを持つ管理栄養士は重宝されます。写真撮影の基本知識や料理の盛り付けやスタイリングのセンスはもちろんのこと、レシピの意図に沿った写真を撮ることが求められます。
料理教室
減塩やダイエットなど、テーマに合わせた料理を教える料理教室も、管理栄養士の専門性を活かした仕事のひとつです。栄養学の知識を踏まえながら健康的な食生活を送る知識と技術を伝えることが大きな役割です。
健康・食・福祉・教育に関わる幅広い企業や団体から依頼されます。
出張料理
出張料理は、依頼者の自宅や指定された場所に出向き、その場で料理を提供するサービスです。栄養学の知識を活かして健康に配慮した食事作りができることは管理栄養士の強みとなります。調理技術や衛生管理だけでなく、依頼者の要望に合わせて柔軟に対応できるメニュー開発力も求められます。
3. 食事指導(カウンセリング)
企業の特定保健指導や、ジム・エステサロンでの栄養指導などがあります。 健康管理やダイエットを目的とした指導が中心となります。食事指導の中でも、企業から委託を受けて行う特定保健指導は求人数が多い仕事の一つです。
4. 講師業務
食育や栄養に関するセミナー講師として活動することも可能です。 学校や企業向けの講演会などで、専門知識を普及させる役割を担います。
5. 栄養価計算
レシピや食品の栄養価計算を行う仕事もあります。 単価は低めですが、専門知識があれば取り組みやすい仕事の一つです。
6. RD(リサーチダイエティシャン)
RDは、臨床試験や栄養疫学研究における食事調査の専門家として活躍する管理栄養士の仕事です。具体的には、食事のヒアリングや栄養価計算などの業務を行います。 通常の栄養価計算よりも高度なスキルが必要ですが、高単価案件が多いため、収入アップを目指す管理栄養士に適しています。
フリーランスとして独立するために必要なこと

フリーランスとして活動するには、主体的に行動し、スキルアップを続けることが重要です。 スケジュール管理、集客、営業、交渉なども自分でこなす必要があります。 安定した収入を得るためには、信頼を築きながら仕事の幅を広げることが求められます。
フリーランスになるには開業届を出すだけでOK?
フリーランスとして活動するには、開業届を提出するだけで基本的にはOKです。
しかし、健康保険や年金の手続きなども必要になる場合があります。
開業届の提出タイミング
開業届は「事業開始日から1か月以内」に提出することが求められます。[1]
フリーランス管理栄養士として本格的に活動を始める場合、早めの提出を心がけましょう。
屋号を考えるべき?
屋号とは、店名や事務所名などのことをいい、開業届を提出する際に決めることができます。フリーランスの場合はペンネームと同じように使うことができます。屋号をつけることで、活動のブランド化やプライバシー保護が可能になります。 また、銀行口座を屋号名義で作成できるため、ビジネス運営上のメリットもあります
フリーランス管理栄養士としてスキルアップを目指そう!
フリーランス管理栄養士の働き方は多岐にわたります。 それぞれの仕事に求められるスキルを理解し、継続的にスキルアップを図ることで、より多くのチャンスをつかむことができます。
自分に合った働き方を選び、専門性を活かして活躍していきましょう!
【参考文献】(2025年2月7日参照)
[1]国税庁 個人事業の開業届出・廃業届出等手続