ビタミンAの働きと豊富な食材ランキング【管理栄養士解説】

緑黄色野菜

※ヘルスケアライティングアカデミーを卒業した、弊社所属の専門家ライターが執筆した記事です。

皆さんは「ビタミンA」と聞いて、どんな働きや食材を思い浮かべますか?

ビタミンAは、私たちの体にとって欠かせない栄養素のひとつです。不足すると健康に悪影響が出る一方で、摂りすぎにも注意をしたい栄養素として知られています。特に妊娠中では好ましくない影響が報告されているため、サプリメントでなんとなく摂っている方は、注意が必要です。

今回は、ビタミンAの基本的な働きから、上手な摂り方、身近な食材までを、管理栄養士の視点でわかりやすく解説します。

目次

ビタミンAってどんな栄養素?

ビタミンAは、脂に溶ける性質をもつ「脂溶性ビタミン」の仲間です。体内では主に肝臓に蓄えられ、必要に応じて使われます。その働きは多岐にわたり、体の成長を支えるほか、皮膚や粘膜の健康を保ち、免疫機能にも関わっています。また、視覚機能においても重要な役割を担っており、網膜の保護や、暗い場所で目が慣れるのを助ける働きがあります[1]。

ビタミンAの不足や過剰摂取で気を付けたいこと

疲れ目の女性


ビタミンAが極端に不足すると、乳幼児では角膜が乾燥し、重症の場合は失明につながることがあります。大人でも「夜盲症」と呼ばれる、暗い場所で物が見えにくくなる症状があらわれることがあります。ただし、こうした症状は、長期間にわたってビタミンAが不足した場合に起こるものです。ビタミンAは肝臓に蓄えられる性質があるため、数日摂取量が少なかったからといってすぐに欠乏症を心配する必要はありません。

一方で、サプリメントの大量摂取や、ビタミンAの含有量が非常に多い食品(レバーなど)を頻繁に多量に食べると、過剰摂取になることがあります。摂りすぎると、肝臓への負担、骨密度の低下による骨折リスクの増加、妊娠中の場合は胎児の発育への影響などが指摘されています[1]。サプリメントに頼りすぎず、日々の食事で無理なく摂り続けることが大切です。

ビタミンAはどのくらいを目安に摂取したらいいの?

ビタミンAと上手に付き合うためには、日々の食事で「不足」と「過剰」、この2つを意識する必要があります。

健康を保つための目安となる「推奨量」

『日本人の食事摂取基準(2025年版)』では、1日にこれくらい摂れば、ほとんどの人が不足しにくい量を「推奨量」として示されています。

ビタミンAは脂溶性ビタミンで、体内に蓄えられるため、推奨量に届かない日があったとしても、すぐに欠乏症が出る心配はありません。ビタミンAの推奨量は、あくまでも習慣的な摂取量として参考にするものです[1]。

【1日あたりのビタミンAの摂取推奨量(μgRAE)】

年齢/性別男性女性
18~29歳850650
30~64歳900700
65~74歳850700
75歳以上800650
※厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2025年版)』より[1]

習慣的な摂りすぎに注意したい「耐容上限量」

一方で『日本人の食事摂取基準(2025年版)』では、毎日続けて摂っても、健康への悪影響が出にくいと考えられる上限の量が「耐容上限量」として示されています。

成人(18歳以上)の場合、ビタミンAの耐容上限量は、1日2,700μgRAEです。
1日だけ多く摂ったからといってすぐに健康被害が起こるわけではありませんが、サプリメントの常用や、動物の肝臓を大量に習慣的に摂る場合は注意が必要です[1]。

毎日の食事に取り入れよう!ビタミンAが豊富な食材ランキングTOP3

うなぎの献立

ビタミンAを多く含む食材は、少量でも推奨量を満たしやすい点がメリットです。ただし、摂りすぎを防ぐためにも、食べる量や頻度を意識しながら取り入れましょう。

今回はスーパーなどで日常的に手に入りやすい食材を中心に、動物性食品と植物性食品に分けてランキング形式でご紹介します。ランキングは、消費者庁が定める栄養成分表示の基準に基づき、「豊富」「含む」の基準値を満たしているものから選定しています[2]。

【ビタミンAが豊富に含まれる動物性食品TOP3】

 食品名1食あたりの重さビタミンA含有量
1位豚レバーペースト30g1290μgRAE
2位うなぎ(かば焼き)1切れ80g1200μgRAE
3位まぐろ(くろまぐろ 養殖・赤身・焼き)1切れ70g  770μgRAE
※文部科学省『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』より[3]

【ビタミンAが豊富に含まれる植物性食品TOP3】

 食品名1食あたりの重さビタミンA 含有量
1位にんじん(油いため)50g
(目安量:1/3本)
500μgRAE
2位かぼちゃ(焼き)80g
(目安量:天ぷら用スライス2~3切れ)
360μgRAE
3位ほうれんそう(油いため)50g
(目安量:1/3束)
315μgRAE
※文部科学省『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』より[3]

ビタミンAを正しく理解して、毎日の食事に上手に取り入れよう

今回ご紹介したランキングを参考に、まずはいつもの食事に身近な食材を1品プラスするところからはじめてみてくださいね。特定の食材だけでは必要な栄養素すべては補うことはできないため、主食・主菜・副菜を組み合わせてバランスよく摂ることが大切です。また、食事だけでなく、十分な睡眠、適度な運動、しっかりとした休養も健康づくりには欠かせません。ビタミンAを正しく知って、無理のない形で日々の生活に取り入れていきましょう。

【参考文献】(すべて2026年1月7日閲覧)
[1] 厚生労働省, 日本人の食事摂取基準(2025年版)
[2] 消費者庁, 事業者向け食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン第5版
[3] 文部科学省, 日本食品標準成分表2023年版(八訂)増補

著者プロフィール

管理栄養士 松川あき

管理栄養士 松川 あき

保育園や高齢者施設に15年以上勤務し、栄養ケアマネジメントや献立作成、給食管理、食育活動などを通して、乳児期・高齢期の異なるライフステージの食と健康に携わってきました。その経験を活かし、現在はヘルスケアコラムライターとしても活動しています。生涯を通じて「おいしく食べて、健康にいきいきとした生活が送れるようお手伝いすること」をモットーに、専門知識をわかりやすく発信することを心がけています。

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