果物は太る?太らない?気になる体重との関係を管理栄養士が解説

果物集合

※ヘルスケアライティングアカデミーを卒業した、弊社所属の専門家ライターが執筆した記事です。
※健康・栄養に関するヘルスケアコラムの執筆・監修は、こちらよりご依頼いただけます。

果物は「健康によさそうだけど、甘いから太りそう」と感じたことはありませんか?
実は、果物が健康に与える影響は、単純に「太る・太らない」ではありません。この記事では、研究結果をもとに、その関係を整理していきます。

目次

果物はエネルギー(カロリー)が高い?

いちごのショートケーキ

果物はその甘さから、糖分が多くて高カロリーで太りやすい食品だと思われがちです。
果物に含まれている糖の種類は、果糖、ブドウ糖、ショ糖などで、これらの糖は甘味の強さが異なり、果糖はショ糖の約1.4倍、ブドウ糖はショ糖の約0.7〜0.8倍の甘味があるとされています[1,2]。

一方で、糖のカロリーは種類によらず1gあたり約4kcalで、甘味の強さとカロリーの多さは比例するわけではありません[3]。
例えば、同じ果物でも何を選ぶかで、摂取するカロリーや一緒に摂れる栄養素の種類が異なります。

では、代表的な果物にはどのくらいのカロリーや糖質が含まれているのでしょうか。代表的なお菓子と、脂質の量も併せて比較しながら見ていきましょう。

【果物に含まれるカロリーと糖質、脂質の量】

果物名100gあたりの目安量カロリー(kcal)糖質(g)脂質(g)
いちご7個317.10.1
オレンジ1個4290.1
キウイフルーツ1.5個5110.80.2
グレープフルーツ1/2個4090.1
すいか1/16玉419.20.1
なし1/2個3810.40.1
パインアップル1/8個5412.50.1
バナナ1本9321.40.1
ぶどう(デラウェア)1房5815.2微量
みかん1個4911微量
りんご1/2個5314.1微量
※女子栄養大学出版部『食品の栄養とカロリー事典 第3版』 p117~130[4]
※文部科学省『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』[1] 

【お菓子に含まれるカロリーと糖質、脂質の量】

お菓子名1食当たりの目安量カロリー(kcal)糖質(g)脂質(g)
シュークリーム1個95g20023.99.8
プリン1個125g14517.55.6
イチゴのショートケーキ1個75g23531.310
メロンパン1個100g34958.210.2
ポテトチップス30g16215.110.2
芋けんぴ30g13920.65.9
どら焼き1個80g23344.82.2
カステラ1切れ45g14027.51.9
大福1個95g22147.60.3
みたらし団子1本60g11626.70.2
※女子栄養大学出版部『毎日の食事のカロリーガイド』 p72~74[5]
※文部科学省『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』[1] 

お菓子は全体的に果物よりもカロリーが高く、特に揚げ菓子や生クリームを使ったものは脂質が多く含まれています。

一方、果物は脂質がほとんど含まれていないため、脂質の多いお菓子と比べると、同じ量でもカロリーが低めです。甘いものが食べたい場面でも、カロリーを抑えやすい食品といえるでしょう。
さらに、果物にはビタミンやカリウム、食物繊維などの栄養素に加え、ポリフェノールなどの機能性成分も含まれており、栄養補給にも役立ちます[1,6]。

「果物を食べると太る」って本当?

結論からいうと、果物は「太る食品」とはいえず、むしろ食べ方によっては、積極的に食べた方が太りにくい可能性があるということが研究で報告されています。
実際に、いくつかの研究では、果物を食べる量が多い人ほど、過体重や肥満のリスクが低い傾向があるという結果でした[7-9]。

【果物・野菜摂取と体重・肥満リスクの関連(研究まとめ)】

研究デザイン内容主な結果補足・注意点
14件の論文をまとめたメタアナリシス(2015年出版)成人の習慣的な果物・野菜摂取量と体重の変化との関連果物や野菜の摂取量が多い人は、過体重・肥満のリスクが約1~2割低いコホート研究のため因果関係は確定できない
ランダム化比較試験や適切に設計された前向きコホート研究による、より質の高い研究が必要
43件の論文をまとめた用量反応メタアナリシス(2019年出版)
※うち果物に関する研究は6件
食品群別の摂取量と過体重、肥満、体重増加のリスクとの関連
果物100g/日増加ごとに、過体重・肥満リスクが7%低下
過体重・肥満の予防のためには、 1日3サービング(計240g相当)が適切
研究間のばらつきが大きく、さらなる検証が必要
13件の論文をまとめたアンブレラレビュー(2025年出版)果物摂取量と過体重、肥満の発生率との関連果物を80g/食を目安に摂取することで肥満リスクが低下研究ごとに結果のばらつきが大きい食品群もあり、食品ごとの違いや食べ方によって影響が異なる可能性があるため、結果の解釈には注意が必要 
各食品群内のさまざまな食品による肥満リスクを調査するには、さらなる研究が必要 
※[7-9]より作成

結局、果物はどのくらい食べたらいいの?

はかり

厚生労働省が掲げる『健康日本21(第三次)』では、果物を1日200g食べることを推奨しています。
今回紹介した研究結果もふまえると、1食あたり80g、1日あたり200~240gを目安にとり入れるとよいでしょう[7-10]。

果物を食べても太りにくい(むしろリスクを下げる)のは、食物繊維が胃を膨らませて満腹ホルモンを出し、結果として一日の総摂取エネルギーを抑えやすくなるためだと考察されています。

さらに代謝を助ける栄養素を補いやすいことも理由のひとつと考えられています[9]。

このように、果物は体重管理に役立つ可能性がありますが、食べ過ぎればカロリーのとり過ぎにつながることもあるため、適量を意識することが大切です[3]。

あなたの果物の摂取量はどのくらい?

では、実際に私たちはどのくらい果物を食べているのでしょうか。『令和6年国民健康・栄養調査』によると、20歳以上の果物の平均摂取量は、78.1gです[11]。

次の表は、よく食べる果物200gの目安量です。習慣的にどのくらい食べているのか、確認してみましょう。

【代表的な果物の目安量】

果物名1食当たりの目安量質量の目安
いちご5個75g
オレンジ1個120g
キウイフルーツ1個70g
グレープフルーツ1/2個105g
すいか1/16玉120g
なし1/2個127g
パインアップル1/8個100g
バナナ1本120g
ぶどう(デラウェア)1房85g
みかん1個80g
りんご1/2個105g
※女子栄養大学出版部『食品の栄養とカロリー事典 第3版』 p117~130[4]

果物を上手にとり入れる3つのコツ

桃

1.食事や間食として活用しよう

朝食・昼食・夕食のいずれか、または間食としてとり入れてみましょう。
例えば、朝食のヨーグルトに果物を加える、サラダに入れる、食後のデザートとしてとり入れるのもおすすめです。
また、間食のお菓子を果物に置き換えることで、エネルギーや脂質を抑えながら栄養補給ができます。

さらに、カットして持ち運べるようにしておくと、外出先でも手軽にとり入れやすくなります。洗ってそのまま食べられる果物を選ぶと、手間がかからず続けやすくなるでしょう。
ただし、夜遅い時間帯の摂取は、高血糖や中性脂肪の増加、肥満につながる可能性があるため控えましょう[12]。

2.なるべく生のまま食べる

果物は生で食べる他に、甘いシロップに漬けてある缶詰やコンポート、ジャムなどは砂糖が加えられている加工品があります。加工の工程で砂糖を加えることでカロリーが高くなりがちで、なおかつ加工の段階で大切な栄養素が失われている可能性もあります[1]。

このコラムで紹介した果物と肥満リスクとの関連を調べた研究は生の果物を対象としており、果汁100%ジュースなど加工した場合に同じ減量効果があるかはわかりません[7-9]。

果物は避けるより、上手に活かす

“果物=太る”というイメージだけで避けてしまうのは、少しもったいないかもしれません。
果物は、とり入れ方によって体重管理に役立つ可能性があります。
無理に控えるのではなく、日々の食事に上手にとり入れて、体重管理に活かしていきましょう。

なお、糖尿病や慢性腎臓病、脂質異常症で中性脂肪が高い方などは、摂取量や食べるタイミングについて医師に相談すると安心です[3]。

【参考文献】(すべて2026年5月10日閲覧)
[1] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
[2] 国際連合食糧農業機関, 人間の栄養における炭水化物(FAO食糧栄養報告書), 食事中の炭水化物組成
[3] 厚生労働省, 日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書
[4] 女子栄養大学出版部, 食品の栄養とカロリー事典 第3版, p117~130
[5] 女子栄養大学出版部, 毎日の食事のカロリーガイド, p72~74
[6] 毎日くだもの200グラム推進全国協議会, FACTBOOK, 果物と健康(六訂版)
[7] Schwingshackl L, et al. Fruit and Vegetable Consumption and Changes in Anthropometric Variables in Adult Populations: A Systematic Review and Meta-Analysis of Prospective Cohort Studies. PLoS One. 2015 Oct 16;10(10):e0140846.
[8] Schlesinger S, et al. Food Groups and Risk of Overweight, Obesity, and Weight Gain: A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis of Prospective Studies. Adv Nutr. 2019 Mar 1;10(2):205-218.
[9] Kristoffersen E, et al. Umbrella Review of Systematic Reviews and Meta-Analyses on the Consumption of Different Food Groups and the Risk of Overweight and Obesity. Nutrients. 2025 Feb 13;17(4):662.
[10] 厚生労働省, 健康日本21(第三次), 健康日本21(第三次)推進のための説明資料
[11] 厚生労働省, 令和6年 国民健康・栄養調査結果の概要
[12] 厚生労働省, 標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)


著者プロフィール

管理栄養士 中川麻奈美

管理栄養士  中川麻奈美

給食受託会社での勤務を経て、より多くの人々の健康づくりに関わりたいとの思いから、現在は特定保健指導やヘルスケアコラムの執筆・添削サポート業務に携わっています。生活習慣病予防を中心に、科学的根拠を大切にしながら、健康づくりにつながる情報を発信しています。実践につながる情報提供を通じて、健康行動を後押しすることを目指しています。
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