hitomi.fujihashi 
理想の自分を追い求めて、一度はダイエットに取り組んだ経験がある方は多いのではないでしょうか。辛い食事制限や我慢の連続により、途中で挫折したなんて方もいらっしゃるかもしれません。
実は、ダイエット成功の鍵は「食べない」ことではなく「正しく食べる」ことにあるのです。この記事では、ダイエット成功のための食事のコツを管理栄養士が解説します。
Contents
やってはいけないNGダイエット！
結果を急ぎすぎて、極端に食事量を制限することや、特定の食品のみを摂取することは避けましょう。ダイエットの基本は摂取エネルギー（カロリー）を減らし、消費エネルギー（カロリー）を増やすことです。偏った食事制限は長続きせず、ストレスに晒されることで精神的にも悪影響を及ぼす恐れがあります。誤ったダイエット法に振り回されないためにも、きちんとダイエット成功のコツを理解したうえで始められるといいですね[1]。
ダイエット前に要確認！
ダイエットを始める前に、確認しておきたいことに「肥満度」と「標準体重」があるのをご存知でしょうか？これらは、身長と体重の値を用いて、簡単に求めることができます。今の自分を知ることが、ダイエット成功への第一歩です[1]。
（１）肥満度
肥満の判定には、国際的な標準指標であるBMI (Body Mass Index) を使用します。
BMI =［体重 (kg) ］÷ ［身長 (m) ²］で求めることができ、日本ではBMI 25以上が「肥満」と定義づけられています [1] 。
（２）標準体重
標準体重は、肥満との関連が強い糖尿病や高血圧、脂質異常症などのリスクが最も低い数値のBMI 22.0を基準としています。
標準体重 (kg) = 身長 (m)² × 22 で求めることができます。
ダイエットの目標体重の目安として活用してみましょう[1] 。
ダイエット成功の鍵！食事のポイント 3 選
ダイエットを成功させるためには、食事の内容や量を見直すことが重要です。今日から取り組める食事のコツを３つご紹介します[1]。
（１）食べ過ぎに注意
言うまでもありませんが、食べ過ぎてしまうとカロリーオーバーとなり、体重増加の原因となります。食事の適正量を知るのは難しいように思われがちですが、体重を測るだけで、簡単に確認することができます。体重が増えた場合は食べ過ぎ、体重が減った場合は食事量が少ない可能性が高いと判断できます。定期的に体重計に乗る習慣をつけて、自分の適正量を見つけましょう[2]。
（２）間食（おやつ）と上手に付き合う
ダイエット中はおやつを我慢しないといけないというイメージがあるかもしれません。もちろん、食べなくても平気な方は控えた方がベターです。ただし、間食を我慢するとストレスを強く感じてしまう方は、食べる量と内容に気をつければ無理に我慢する必要はありません。ただし、おやつを食べるために食事を抜くことは、栄養バランスが偏る可能性が高いため避けるようにしましょう[3]。
（３）お酒は控えめに
実は、お酒に含まれるアルコールそのものにもカロリーがあります。アルコール度数9%の缶チューハイ（500ml）には、アルコール分だけで約250kcalが含まれます。例え糖質ゼロのお酒でも、過剰に摂取すればカロリーオーバーとなり、体重増加につながるため、注意が必要です[4]。
また、コップ1杯分（200ml）あたりのカロリーを比較すると、ビール約80 kcal、レモンチューハイ約100 kcal、赤ワイン約140 kcal、日本酒約200 kcal、ウイスキー約470 kcalと、種類によって大きな差があります[5]。
さらに、アルコールには食欲を増す作用があります。一緒に食べるおつまみや、食事のメニューにも注意しましょう[4]。
体重増加の放置はキケン！ダイエットを成功させよう
体重の増加を放置していると、やがて肥満につながります。肥満は生活習慣病といわれる糖尿病や脂質異常症、高血圧症、さらには脳梗塞や心疾患など、日本人の死因の上位を占める病気と深く関わっていることが明らかになっています[6]。体重が増加傾向にある場合は、早めに対策をとりましょう。
ダイエットは日々のコツコツとした積み重ねで結果が大きく変わります。まずは現在の体重や肥満度を知ることから、初めの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。食生活を見直すことで、ただ体重を落とすだけではなく、未来の健康のためにきっと役立つはずです。
【参考文献】（すべて2025年2月7日閲覧）
[1] 厚生労働省, e-ヘルスネット, 肥満と健康
[2] 厚生労働省, 日本人の食事摂取基準 (2025年版)
[3] 厚生労働省, e-ヘルスネット, お菓子にはどのくらいのエネルギーが含まれているのでしょう？
[4] 厚生労働省, e-ヘルスネット, アルコールとメタボリックシンドローム
[5] 文部科学省, 日本食品標準成分表 (八訂) 増補2023年版
[6] 厚生労働省, e-ヘルスネット, 肥満と肥満症
著者プロフィール
管理栄養士 橋本牧子
結婚・出産を機に食事の大切さを改めて感じ、大学で学び直し管理栄養士の資格を取得。乳幼児やシニア世代の栄養相談や健康教室の講師など幅広く活動する中で、科学的根拠の乏しい健康情報が世の中に多いことに問題意識を持ち、確かな情報を広く発信すべくヘルスケアライターとして活動をはじめる。生活習慣病や女性の健康を得意とし、現在までに数多くのコラムを執筆している。料理撮影やレシピ開発の実績も豊富。詳しいプロフィールはこちら