その症状、熱中症かも?!正しい対策で熱中症を予防しよう

正しい対策で熱中症を予防しよう

梅雨が明け、だんだんと暑さが厳しくなってくる時期となりました。
毎年この時期からTVやニュースなどで“熱中症”というワードをよく耳にします。体が暑さになれていないこの時期こそ、熱中症には特に注意したいものです。

熱中症が起こりやすいのは、太陽が照り付ける暑い日だけとは限りません。この記事では、ご自身やご家族のためにも知っておきたい熱中症の知識と正しい対策について、詳しく解説していきます。

熱中症は室内でも発症する

ヒトの身体は、暑さによって体温が上昇すると、皮膚温度を上昇させたり汗をかいたりすることで体温調節をします。しかし、体温の上昇と高温多湿な環境によって体温調節の働きが乱れると、身体に熱がこもってしまうことがあります。その現象こそが“熱中症”です。熱中症は屋外だけで起こると思われがちですが、実は室内で過ごしているときでも発症します。

これって熱中症?知っておきたい熱中症の症状

熱中症は重症度によって3つに分類されており、重症度によってその後の対応が変わります。

熱中症の症状と重症度分類

軽症めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、意識障害を認めない
中等症頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下
重症中枢神経症状、肝・腎機能障害、血液凝固異常
※環境省, 熱中症環境保健マニュアル2022参照

軽症の場合はすぐに涼しい場所へ移動し、体を冷やします。その場には必ず誰かが付き添って見守り、水分と塩分を自分で補給できるか確認しましょう。その後、意識の異常や自分で水分や塩分が補給できない、応急処置をしても改善がないときは中等症と判断します。中等症の場合はすぐに救急車を呼び、病院へ搬送するようにしましょう。私たちが見極められるのは中等症までです。重症の見極めは、救急隊員や医療者が判断します。

すぐに応急処置ができれば回復が見込めますが、最悪の場合は命にかかわる可能性もあります。このような事態にならないためにも、正しい熱中症予防を行うことが大切です。

熱中症を防ぐ5つのポイント

熱中症の対策はいくつかありますが、今回は今すぐにできる予防方法を5つに絞ってご紹介します。しっかりと予防方法を確認していきましょう。

1.日傘や保冷グッズを活用する

正しい対策で熱中症を予防しよう

外出する場合はなるべく暑い日は控えるようにしたいところです。ですが、どうしても外出が必要な場合もありますよね。その場合は暑い時間を避け、積極的に日傘や携帯型扇風機、保冷グッズを活用するなどの工夫がおすすめです。加えて外出した先で、適宜涼しい場所で休憩を取るようにしましょう。

2.室内は風を利用する

正しい対策で熱中症を予防しよう

外出する場合はなるべく暑い日は控えるようにしたいところです。ですが、どうしても外出が必要な場合もありますよね。その場合は暑い時間を避け、積極的に日傘や携帯型扇風機、保冷グッズを活用するなどの工夫がおすすめです。加えて外出した先で、適宜涼しい場所で休憩を取るようにしましょう。

3.仕事もプライベートもゆったりとした服装で

正しい対策で熱中症を予防しよう

熱中症対策は服装もとても重要です。体をしめつけない、ゆったりとした服装を心がけましょう。スーツやシャツなどを着る場合も襟元を緩めてクールビズ対策をしてください。吸汗・速乾素材や軽・涼スーツなどの活用も効果的です。

4.水分補給はのどが渇く前に!

正しい対策で熱中症を予防しよう

水分を摂りすぎるとかえってよくないと思っている方、それは大きな間違いです。体温調節をするためにも“水分と塩分”を適切に補給することが熱中症対策になります。水分補給は、のどが渇く前と暑い場所に行く前にしておきましょう。さらに入浴や睡眠時にも汗をかくため、起床時、入浴前後にも水分補給が必要です。運動や労働で大量の発汗があった場合は、失った水分を十分に補給できていない可能性があります。その場合、翌日までに十分な水分・塩分補給を行うよう心がけましょう。

5.1日の水分目安量は1.2ℓ

日常で飲むべき水分の目安量は1日あたり1.2ℓです。しかし、大量の発汗があった場合はより多くの水分と塩分が必要となります。そのため、塩分を含むスポーツ飲料などで水分補給を行うことを心がけましょう。ただし、糖分を多量に含むものもあるため、飲み過ぎには十分注意してください。さらに、暑い夏はお酒がおいしい時期でもありますが、アルコールは吸収した水分以上の量を尿で排泄してしまいます。どんな種類であってもアルコールでの水分補給はしないようにしましょう。

熱中症を予防し、夏を楽しもう!

熱中症は屋外・室内ともに発症するリスクがあり、命を落とす危険性がある病態です。なるべく暑い日の外出は避け、室内では室温が28℃になるようエアコンと扇風機を併用して快適な環境を整えましょう。外出先ではこまめに休憩を取りながら、のどが渇く前に水やお茶、スポーツ飲料などで水分補給を行ってくださいね。

【参考文献】(すべて2024年4月9日閲覧)
環境省, 熱中症環境保健マニュアル2022

著者プロフィール

歯科で働く管理栄養士|石川桃子|プロフィール写真|ライター

管理栄養士 石川 桃子
歯の健康は全身の健康に関わること広めたい、そして心身のトラブルを薬に頼らず、毎日の食事から予防・改善したいという方を一人でも多くサポートをしたいという想いから、現在歯科医院で専属管理栄養士として栄養指導を中心に活動中。そのほかにコラム執筆・監修、食育講演、セミナー講師など幅広く活動している。
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