爽快な喉越しのビールは、暑い夏はいつも以上に美味しく感じますよね。
「ついつい飲み過ぎてしまう」なんてことを繰り返していると気になってくるのが、メタボリックシンドローム(以下メタボ)ではないでしょうか。
今回は、ビールとメタボの関係にスポットを当てて、ビールの選び方と飲み方のポイントをお伝えします。
Contents
ビールとメタボの関係性とは?
メタボリックシンドロームの要素である肥満症・高血圧症・脂質異常症・高血糖は、いずれも飲酒(アルコール)が原因の1つとしてあげられています。
体内に入ったアルコールは、脂肪酸やコレステロールといった脂質の一部になる以外に、エネルギーに変換されます。アルコールからエネルギーを作る際には、体に溜め込んでいる脂肪は使われません。そのためアルコールを多量に飲むことで、ぽっこりとした“ビール腹”になる可能性があるのです[1]。
メタボを招く、NGなビールの飲み方
ついやりがちなビールの飲み方が、メタボを招くことを知っていますか?ここでは2つのポイントに絞ってお伝えします。
1.多量に飲む
ビール350ml1缶分には、約11gの糖質が含まれています。
これは生活習慣病の発症予防を目的とした、1日分の目標量の約1/5程度。糖質はエネルギー源として重要な役割を担っていますが、過剰になると体重増加の原因となります。
2.高カロリーで、味の濃いおつまみを選ぶ
おつまみの定番ともいえる揚げ物類やスナック菓子、〆に食べる麺類は高カロリーである上に味付けが濃い傾向があります。アルコールには胃の動きを活発にする食欲増進効果があるため、飲み過ぎや食べ過ぎになることで食塩の摂りすぎやカロリーオーバーとなり、メタボの要因となる内臓脂肪が増えることに繋がるので注意が必要です[1-4]。
知らなきゃ損!メタボ予防になるビールの選び方!
近年の健康意識の高まりから注目を集めているのが、糖質を抑えたビールです。
糖質は摂りすぎることにより、体重増加や内臓脂肪型肥満に繋がります。
メタボが気になる方の味方をしてくれるのが、糖質をカットしたビールです。
いくつか種類がありますので、それぞれの特性を知って選んでみましょう[3]。
ビールの種類 | 100mlあたりの糖質量(g) |
通常 | 3.1 |
糖質ゼロ | 0.5未満 |
糖質オフ | 2.5以下 |
消費者庁: 栄養成分表示及び栄養強調表示
さらに押さえておきたいビールの飲み方
糖質を抑えたビールを選んだからと言って安心してはいけません。その他に気をつけたいことは、飲酒量とおつまみ選びです。
節度のある適度な飲酒量は1日平均純アルコールで約20g程度。ビールのロング缶500mlで考えると約1缶が適量となります。
おつまみは、野菜スティックや冷奴、枝豆、刺身など脂っこくなく味が濃くないものを選ぶのがよいでしょう[2,6]。
ビールのある生活を楽しもう!
メタボ予防のビール選びや飲み方を知っていただけましたでしょうか。ビール好きなら、いくつになっても美味しくビールを飲みたい!という願望があるはず。 ぜひ、今回お伝えしたことを毎日のビール選びやおつまみ選びに活かして、末長くビールと良好な関係を保ちたいものですね。
【参考文献】(すべて2024年5月6日閲覧)
[1] 厚生労働省, e-ヘルスネット, アルコールとメタボリックシンドローム
[2] 文部科学働省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年版
[3] 厚生労働省, 日本人の食事摂取基準 (2020年版)
[4] 厚生労働省, e-ヘルスネット, アルコールの消化管への影響
[5] 消費者庁, 栄養成分表示及び栄養強調表示
[6] 厚生労働省, 健康日本21(アルコール)
著者プロフィール
管理栄養士 橋本牧子
結婚・出産を機に食事の大切さを改めて感じ、大学で学び直し管理栄養士の資格を取得。乳幼児やシニア世代の栄養相談や健康教室の講師など幅広く活動する中で、科学的根拠の乏しい健康情報が世の中に多いことに問題意識を持ち、確かな情報を広く発信すべくヘルスケアライターとして活動をはじめる。生活習慣病や女性の健康を得意とし、現在までに数多くのコラムを執筆している。料理撮影やレシピ開発の実績も豊富。詳しいプロフィールはこちら