風邪予防にビタミンCの真相に迫る!管理栄養士が教える噂の真実

風邪をひいた女性

※ヘルスケアライティングアカデミーを卒業した、弊社所属の専門家ライターが執筆した記事です。

「風邪予防にビタミンCを摂るといいよ」と耳にしたことはありませんか?ビタミンCを摂ると本当に風邪をひきにくくなるのでしょうか。ここでは、風邪予防にビタミンCがいいとされている真相や、風邪予防の効果が検討されている他の食品成分を3つご紹介します。

目次

そもそも風邪って何なの?

風邪をひいた男性

よく私たちは「風邪をひいた」と言いますが、一体どのような状態を「風邪」と呼ぶのでしょうか。風邪は一般に、鼻づまり・鼻水、くしゃみ、のどの痛み、咳などを特徴とする、鼻腔から喉頭までに起こる軽度の疾患として知られています。多くは自然に軽快しますが、一部では合併症を招くこともあります。

さらに風邪は、症状自体は軽症であっても、医療機関の受診や治療、仕事の欠勤を通じて、大きな経済的損失をもたらします。原因となるウイルスが多様であることから、風邪を完全に予防することは、今もなお難しい課題なのです[1]。

風邪予防にビタミンCの真相

レモン

なぜ風邪予防にはビタミンCと言われるようになったのでしょうか?きっかけとなったのは、1970 年代にノーベル賞受賞者のライナス・ポーリングが、「ビタミン C と風邪」という書籍を出したことがきっかけとなっているようです。その後、様々な研究が重ねられ、2013年にビタミン C を毎日継続的に摂取した場合と、風邪の症状が現れたときに治療薬として使用した場合の、風邪の発症率、期間、重症度を調べた研究が発表されました。するとなんと、マラソン選手やスキーヤーなど、運動や寒さなどで酸化ストレスにさらされるようなビタミンCが不足しがちな人たちを除いて、ビタミンCは風邪の発症予防には効果がないことが報告されたのです[2]。しかし、定期的にビタミンCを摂取しておくことで、風邪の重症度は大幅に軽減する可能性があることも分かっています[3]。

風邪予防に関連があるとされている食品成分3つ

生きた善玉菌!プロバイオティクス

ヨーグルト

プロバイオティクスとは、摂取または体内へ​​の塗布によって健康効果が期待される、生きた微生物のことです。ヨーグルトなどの発酵食品に含まれるほか、多くはサプリメントなどの栄養補助食品として流通しています[4]。
2022年に行われた、成人を対象とした複数の研究をまとめた報告では、プロバイオティクスを摂取した人は、摂取していない人に比べて、風邪を含む呼吸器感染症の発生率がわずかに減少したことが分かっています[5]。

ポリフェノールの一種!フラボノイド

ブルーベリー

フラボノイドとは、植物に存在するポリフェノールのことです。2016年に行われた18〜65歳の男女を対象とした複数の研究をまとめた報告において、フラボノイドを毎日0.2〜1.2g摂取した群は、摂取していない群に比べて、風邪を含む呼吸器感染症の発生率を 33% 減少させたことが報告されています。この研究で使用されたフラボノイドには、玉ねぎに含まれるケルセチンや、赤ワインやブルーベリーに含まれるアントシアニン、大豆のイソフラボンなどがありました。大豆100g に0.14gのイソフラボン、玉ねぎ100gに0.01gのケルセチン、ブルーベリー100gに0.095gのアントシアニンが含まれています[6-8]。

コロナ禍で話題になった!ビタミンD

鮭の南蛮漬け

令和元年に行われた国民健康・栄養調査において、日本人は平均的にビタミンDの摂取が不足していることが分かっています[9]。2017年に行われた研究で、ビタミンDをサプリメントで摂取することが、風邪やコロナを含む急性呼吸器感染症を予防する可能性があると報告されています。また、ビタミンDが著しく欠乏している人や、毎日または毎週定期的に摂取している人は、特に効果があったことも示しています。
ビタミンDには、きのこ類に含まれるビタミンD2と、魚類に含まれるビタミンD3がありますが、この研究において使用されたビタミンDは、ビタミンD3でした[10,11]。さらに、新型コロナウイルス感染症の発症予防においては、結果に一貫性がないことも分かっています[12]。

風邪をひきたくない時に意識したい大切なこと

今回はよく注目されている3つの成分をご紹介しましたが、風邪予防のためにはこれらの栄養素をむやみに摂取するのではなく、いろいろな食材をバランスよく食べて、栄養状態を整えておくことが大切です。加えて、手洗い、マスクをつける、睡眠をしっかりとるなど基本的な対策をしっかりとした上で、風邪をひかない生活を心がけましょう[13-15]。

【参考文献】(すべて2026年1月12日閲覧)
[1] Heikkinen T,et al. The common cold. Lancet. 2003 Jan 4;361(9351):51-9.
[2] Hemilä H, et al. Vitamin C for preventing and treating the common cold. Cochrane Database Syst Rev. 2013 Jan 31;2013(1):CD000980.
[3] Hemilä H, et al. Vitamin C reduces the severity of common colds: a meta-analysis. BMC Public Health. 2023 Dec 11;23(1):2468.
[4] The National Center for Complementary and Integrative Health, Probiotics: Usefulness and Safety
[5] Coleman JL, et al. Orally Ingested Probiotics, Prebiotics, and Synbiotics as Countermeasures for Respiratory Tract Infections in Nonelderly Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis. Adv Nutr. 2022 Dec 22;13(6):2277-2295.
[6] Somerville VS, et al. Effect of Flavonoids on Upper Respiratory Tract Infections and Immune Function: A Systematic Review and Meta-Analysis. Adv Nutr. 2016 May 16;7(3):488-97.
[7] 食品安全委員会, 大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A
[8] Nishimuro H,et al. Estimated daily intake and seasonal food sources of quercetin in Japan. Nutrients. 2015 Apr 2;7(4):2345-58.
[9] 厚生労働省, 令和元年国民健康・栄養調査
[10] Martineau AR, et al. Vitamin D supplementation to prevent acute respiratory tract infections: systematic review and meta-analysis of individual participant data. BMJ. 2017 Feb 15;356:i6583.

[11] 厚生労働省, 日本人の食事摂取基準(2025年版)
[12] Meng J, et al. The role of vitamin D in the prevention and treatment of SARS-CoV-2 infection: A meta-analysis of randomized controlled trials. Clin Nutr. 2023 Nov;42(11):2198-2206.
[13] Ross I, et al. Effectiveness of handwashing with soap for preventing acute respiratory infections in low-income and middle-income countries: a systematic review and meta-analysis. Lancet. 2023 May 20;401(10389):1681-1690.
[14] Greenhalgh T, et al. Masks and respirators for prevention of respiratory infections: a state of the science review. Clin Microbiol Rev. 2024 Jun 13;37(2):e0012423.
[15] Robinson CH, et al. The relationship between duration and quality of sleep and upper respiratory tract infections: a systematic review. Fam Pract. 2021 Nov 24;38(6):802-810.

著者プロフィール

管理栄養士/インナービューティープランナー
高井利香

腸から整える美容食の料理教室ricca.kitchen を主宰。
毎日の食事を見直し、体の内側からアトピーやニキビなどの肌トラブルを改善するプログラムを開講。
レシピ開発や、コラム執筆・監修なども行なっている。
プロフィールはこちら

  • URLをコピーしました!
目次