マグネシウムはストレス解消に役立つ?研究結果とマグネシウムが豊富な食品を管理栄養士が解説

※ヘルスケアライティングアカデミーを卒業した、弊社所属の専門家ライターが執筆した記事です。
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ストレス社会といわれる現代、メンタルの不調に悩む人は少なくありません。近年、そうした背景から注目されているのが「マグネシウム」という身近なミネラルです。この記事では、管理栄養士の視点から、マグネシウムとストレスとの関係について、わかりやすく整理していきます。
体の中で大活躍!マグネシウムの役割とは
マグネシウムは、日常ではあまり意識されにくいものの、体内でさまざまな働きを担う重要な栄養素です。体内に比較的多く存在し、その多くは骨に含まれ、残りの大部分は筋肉などのやわらかい組織に存在しています。また、300種類以上の酵素の働きを助け、エネルギーの産生やたんぱく質の合成など、生命活動の基本となるさまざまな機能に関わっています。さらに、マグネシウムは神経や筋肉の働きを支える役割も担っています[1]。
研究結果から読み解くマグネシウムとストレスの関係
ストレスによる心身の変化のひとつとして、不安感は多くの人が経験する身近な不調です。そのため、マグネシウムとストレスとの関連について、不安症状を指標とした研究も進められています。
例えば、軽度から中等度の不安症状がある人を対象とした研究では、マグネシウムを含むサプリメントを摂取した人は、含まれていないものを摂取した人と比べて、不安感が軽減したと報告されています。しかし、マグネシウム以外の成分もあわせて摂取している研究が多く、マグネシウムの働きによるものかどうかは明確ではありません。また、マグネシウムを摂取しても不安感の軽減がみられないケースも報告されており、現時点ではエビデンスは十分とはいえず、引き続き研究が進められています。
ただし、マグネシウムは体に欠かせないミネラルです。まずは日々の食事を通して、不足しないよう意識して摂取することが大切といえるでしょう[1,2]。
マグネシウムは現代人に足りていないって本当?
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、マグネシウムの推奨量は性別や年齢によって異なります。成人では、男性で約340〜380mg/日、女性で約280〜290mg/日が推奨量とされています。一方で、『令和6年国民健康・栄養調査』の結果によると、日本人のマグネシウムの平均摂取量は、多くの年代でこの推奨量を下回っていますが、特に若年女性で不足しやすい傾向があります。
こうした背景には、食生活の変化も関係していると考えられます。マグネシウムは、穀物を精製する過程で、胚芽やぬかが取り除かれることで減少しやすい栄養素です。そのため、加工食品の利用が増えている現代の食生活では、意識しないと不足しやすいミネラルのひとつといえるでしょう[1,3,4]。
毎日の食事で手軽に補給!マグネシウムが豊富な食品とは?

マグネシウムを意識して摂った方が良いといわれても、どのような食品に多く含まれているのかわからない方も多いのではないでしょうか。マグネシウムは、豆類やナッツ類、全粒穀物、海藻類、野菜、魚介類など、さまざまな食品に含まれています。まずは、普段の食事にこれらの食品を1品取り入れることを意識しましょう[5]。
【 マグネシウムを多く含む身近な食品】
| 食品名 | 1食の目安量(g) | マグネシウム量(mg) |
| 納豆 | 40 | 40 |
| 木綿豆腐 | 150 | 86 |
| 玄米ごはん | 150 | 74 |
| アーモンド | 20 | 58 |
| かつお | 100 | 42 |
今日からできる!マグネシウムを賢く摂るポイント

マグネシウムを無理なく摂るためには、特別な方法を取り入れるよりも、日々の食事を工夫することが大切です。中でも、主食は一度に食べる量が多いため、白米を玄米や雑穀米に置き換えることで、効率よくマグネシウムの摂取量を増やすことができます。また、間食にナッツ類を取り入れるなど、日常生活の中で少しずつプラスしていく工夫も大切です。主食・主菜・副菜をそろえた食事を基本に、マグネシウムを多く含む食品を意識して取り入れましょう[5]。
食品での摂取を基本に、サプリメントは用量を守ろう!
マグネシウムは、通常の食事からの摂取で過剰症が生じるという報告はありません。一方で、サプリメントの利用によっては摂りすぎてしまう可能性があります。食品以外からの過剰摂取によって起こる代表的な症状として、下痢が挙げられます。
そのため、マグネシウムはまず日々の食事から摂ることを基本とし、サプリメントを使用する場合には、表示されている用量を守って適切に活用しましょう[3]。
マグネシウムを意識してストレスと上手に向き合おう!
マグネシウムとストレスの関係については、現時点では明確な結論は出ていません。しかし、体にとって重要な栄養素のひとつです。ストレスの少ない健康的な生活を目指すためにも、マグネシウムを意識した食生活に加えて自分に合ったリフレッシュ方法を取り入れていきましょう。
【参考文献】(すべて2026年4月15日閲覧)
[1] 厚生労働省, eJIM, マグネシウム
[2] NB Boyle, et al, The Effects of Magnesium Supplementation on Subjective Anxiety and Stress—A Systematic Review, Nutrients. 2017 Apr 26;9(5):429.
[3] 厚生労働省, 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
[4] 厚生労働省, 令和6年 国民健康・栄養調査結果の概要
[5]文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
著者プロフィール

管理栄養士 落水陽香里
調剤薬局で栄養指導業務を経験後、フリーランス管理栄養士として独立。栄養指導を行う中で間違った健康情報に振り回されている人が多いことを実感し、危機感を感じていた。その経験から現在は、世の中の人々が間違った健康情報に振り回されることなく、正しい健康情報を入手できるように科学的根拠のある健康情報を分かりやすい言葉で発信するライターとして活動している。
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