高血圧を予防する食事術!今日から血圧を下げる食べ方とコツ【管理栄養士解説】

血圧を測るイメージ

世界では約14億人が高血圧と報告されており、非常に身近な健康課題の一つです。
「高血圧対策=減塩」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。もちろん減塩は大切ですが、それだけでは十分とはいえません[1]。
この記事では、減塩に加えて意識したい食事のポイントを4つに絞り、管理栄養士の視点からわかりやすく解説します。

目次

高血圧はどんな病気を招くの?

血圧の状態を知るためには、血圧測定が最も確実な方法です。高血圧の判定基準は、診察室血圧で140/90mmHg以上(収縮期140以上または90以上)、家庭血圧で135/85mmHg以上(収縮期135以上または85以上)とされています。
血圧が高い状態が続くと、腎臓病や心臓の病気、脳卒中などのリスクが高まります。
しかし、高血圧は自覚症状がほとんどないまま進行することが多く、「サイレントキラー(静かなる殺人者)」とも呼ばれています。気づいたときには、すでに病気が進行していることもあるため、注意が必要です[1,2] 。

なぜ血圧が上がるの?4つの要因を知っておこう

質問のイメージ

高血圧は、年齢や遺伝だけでなく、日々の生活習慣と深く関わっています。なかでも食事は、血圧に大きく影響する要因の一つです[1]。
ここでは、血圧を上げる主な食事の要因を4つご紹介します。

1、食塩のとり過ぎ

食塩(ナトリウム)のとり過ぎは、血圧上昇と関連することが示されています。また、食塩の摂取量を減らすことで、血圧が低下傾向にあることも多くの研究で明らかになっています[2]。

2、 肥満・内臓脂肪の蓄積

肥満、特に内臓脂肪型肥満は高血圧の発症、悪化と関連しています。目安として、ウエスト周りが男性85cm以上、女性90cm以上の場合、内臓脂肪型肥満が疑われます。内臓脂肪が増えると、血圧を上げるホルモンの働きに影響し、血圧が上がりやすくなります[2,3]。

3、アルコールのとり過ぎ

習慣的な飲酒や飲み過ぎは、血圧を上昇させることが示されています。また、血圧が正常な人でも、飲酒習慣によって血圧が上がる可能性があることが報告されています[1,2]。

4、 カリウムの不足

カリウムが不足すると、血圧が上がりやすくなることが明らかになっています。特に食塩摂取量が多い人や血圧が高めの人では、カリウム摂取を増やすことで血圧の低下も期待できるとされています[1,2]。

血圧を下げるには、まず減塩が最優先

塩のイメージ

食事のなかでも、食塩(ナトリウム)の摂取を控える「減塩」は、高血圧対策として特に結果がはっきりしている方法です。複数の研究より、食塩摂取量を減らすことで血圧が低下することが示されています。さらに食塩の程度が大きいほど、血圧改善効果も高まることが報告されています[1,2]。

減塩だけじゃない!見直すべき食事ポイント4つ

ポイントのイメージ

高血圧を遠ざける食事のポイントは、減塩だけではありません。日々の食事全体を見直すことが大切です[2]。
ここでは、実践しやすい食事のポイントを4つご紹介します。

1、 食事は適量を心がける

エネルギーのとり過ぎは肥満につながり、血圧上昇の原因になります。特に、米、パン、麺類などの糖質に偏った食事は、肥満との関連が指摘されています[2,3,4]。

2、飲酒量はできるだけ控える

アルコールを控えることで、1〜2週間ほどで血圧の低下がみられることが報告されています。複数の研究で、収縮期血圧で-3mmHg、拡張期血圧で-2mmHgの低下が報告されています。また、日本人を対象とした研究では、少量の飲酒でも血圧上昇と関連する可能性が示されています。飲酒の影響は個人差があるため、必要に応じて医師に相談しましょう[2,5]。

3、野菜や果物をしっかりとる

カリウムを含む野菜や果物は、血圧のコントロールに役立つことが明らかになっています。野菜や果物に加え、低脂肪乳や乳製品、緑茶、コーヒーなどをバランスよく組み合わせるとよいでしょう。カリウムは水に溶けやすいため、スープや煮物など汁ごととれる調理法を取り入れると効率的です。なお、カリウムの摂取制限が必要な病気がある場合は、医師に相談してください[2,4,6]。

4、 食事はよく噛んで、ゆっくり食べる

早食いは、食べ過ぎにつながりやすく、結果として体重増加を招きます。食事は、よく噛んでゆっくり食べることを意識しましょう[3]。

血圧を上げない食生活を始めよう

食事をする女性

血圧対策は、特別なことではなく、日々の積み重ねが大切です。完璧を目指す必要はありません。まずはできることから一つずつ取り入れ、無理なく続けていくことが、将来の健康につながります。

【参考文献】(すべて2026年4月6日参照)
[1] WHO, Hypertension
[2] 特定非営利活動法人, 日本高血圧学会, 高血圧管理治療ガイドライン
[3] 日本肥満学会, 肥満診療ガイドライン, 第4章肥満、肥満症の疫学
[4] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂) 増補2023年版
[5] 厚生労働省, 健康に配慮した飲酒に関するガイドライン
[6] 厚生労働省, 日本人の食事摂取基準(2025年版)

著者プロフィール

管理栄養士 橋本牧子

結婚・出産を機に食事の大切さを改めて感じ、大学で学び直し管理栄養士の資格を取得。乳幼児やシニア世代の栄養相談や健康教室の講師など幅広く活動する中で、科学的根拠の乏しい健康情報が世の中に多いことに問題意識を持ち、確かな情報を広く発信すべくヘルスケアライターとして活動をはじめる。現在は、ミドル世代女性の健康を中心に、生活習慣病や更年期といった、からだの変化に寄り添いながら、健やかな毎日をサポートする情報発信を行う。
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