子どもの偏食、栄養足りてる?家庭での関わり方7つのヒント【管理栄養士解説】

泣く子供

※ヘルスケアライティングアカデミーを卒業した、弊社所属の専門家ライターが執筆した記事です。
※健康・栄養に関するヘルスケアコラムの執筆・監修は、こちらよりご依頼いただけます。

「うちの子、同じものしか食べないけど大丈夫?」「昨日は食べたのに、今日は全然食べない…」このように、子どもの食事について不安を感じたことはありませんか?

幼児期の偏食は、多くのご家庭でみられる悩みのひとつです。実際に、厚生労働省の調査でも、子どもの食事に関する困りごととして「偏食」は上位に挙げられています[1]。

この記事では、1歳から就学前までの幼児期に偏食が起こりやすい理由や、栄養が足りているかの考え方、家庭でできる関わり方のヒントについて、管理栄養士の視点から解説します。

目次

子どもの偏食はなぜ起こるの?

「どうして食べてくれないのだろう」と悩むこともあるかもしれません。偏食とは、好き嫌いが強く、食べられる食品の種類が限られている状態をいいます。

幼児期に偏食がみられやすいのには、いくつかの理由があります。まず、食経験がまだ少ないため、初めて見る食べ物や慣れない味に対して警戒心を持ちやすいことが挙げられます。これは「新しいものから身を守る」という発達の一面でもあります。また、「噛む・飲み込む」といった食べる力も発達の途中です。食材の硬さや大きさが合っていないと、食べにくさから避けてしまうこともあります[1]。

このように、偏食は単なるわがままではなく、成長の過程で自然にみられることも多いのです。

偏食だと、栄養が不足しないの?

笑顔で遊ぶ子供

「同じものばかり食べていて、栄養は大丈夫?」と心配になる方も多いでしょう。

その判断の目安のひとつが「成長曲線」です。成長曲線とは、子どもの身長や体重の変化をグラフで示したもので、母子健康手帳などに掲載されています。横軸に月齢や年齢、縦軸に身長や体重をとり、測定した値を記録し線でつないでいくことで、その子どもの成長の変化を時間の流れに沿って確認できます。偏食があっても、成長曲線に沿って身長や体重が増えている場合は、その子に必要なエネルギーや栄養はおおむねとれていると考えられます。食べる量や内容だけで判断するのではなく、成長の様子をあわせて見ていくことが大切です。

一方で、成長曲線から大きく外れる場合や、体重が増えにくい場合には、かかりつけ医などに相談するようにしましょう[2]。

今日からできる!偏食っ子との関わり方のヒント

では、家庭ではどのように子どもの偏食と関わっていけばよいのでしょうか。今日から実践できるポイントをご紹介します。

子どもの「嫌」の理由を観察する

まずは、「なぜ食べたくないのか」を考えてみましょう。味が苦手なのか、食感が合わないのか、見た目に抵抗があるのかなど、理由はさまざまです。子どもの反応をよく観察することが、関わり方のヒントになります[1]。

繰り返し経験させる

初めての食材や慣れない料理は、不安から食べないこともあります。そのようなときは、「〇〇と似ているね」「これはいつも食べている〇〇と同じなんだよ」といった、安心できる声かけをしてみましょう。また、調理法を変えながら何度か食卓に出すことで、少しずつ慣れていくこともあります[1]。

食べる力に合った食事にする

食材の硬さや大きさが合っているかも大切なポイントです。乳歯の生え方や噛み合わせの状態によっても、食べにくさを感じていることあります。気になる場合はかかりつけ歯科医へ相談することも一つの方法です[1]。

空腹で食事を迎えるリズムを作る

お腹が空いた状態で食事の時間を迎えることも重要です。間食は1日1〜2回を目安に時間や量を決め、生活リズムを整えることで、食事への意欲が高まることがあります[1]。

食事を楽しい時間にする

食べられないことに注目しすぎず、楽しい雰囲気で食事をすることも大切です。大人がおいしそうに食べる姿は、子どもの興味を引き出します[1]。

子どもが食事に関わる経験をつくる

買い物や簡単な調理のお手伝いなど、「食に関わる経験」を取り入れてみましょう。食材を一緒に選んだり、野菜に触れたり洗ったりと、日常の中の小さな関わりで大丈夫です。こうした経験が、食べ物への興味や「食べてみようかな」という気持ちにつながることがあります[1]。

長い目で食事のバランスを考える

『日本人の食事摂取基準(2025年版)』では、1日に必要な栄養素の目安が示されていますが、食事のバランスは1食や1日単位ではなく、数日から1週間ほどの中で考えることが大切です[3]。「今日はあまり食べなかった」と感じても、長い目で見ていきましょう。

焦らず見守ることが大切

幼児と両親の食事風景

幼児期の偏食は、成長の過程で一時的にみられることも多いものです。無理に食べさせようとするのではなく、子どもの気持ちに寄り添いながら関わることが大切です。まずは、できそうなことから一つ取り入れてみましょう。

また、悩んだときは一人で抱え込まず、家族や身近な人、地域の相談先や専門家など周囲と共有しながらゆっくり見守っていきましょう。

【参考文献】(すべて2026年4月7日閲覧)
[1] 厚生労働省, 幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイド
[2] 厚生労働省, 乳幼児身体発育曲線の活用・実践ガイド
[3] 厚生労働省, 日本人の食事摂取基準(2025年版)

著者プロフィール

管理栄養士 松川あき

管理栄養士 松川 あき

保育園や高齢者施設に15年以上勤務し、栄養ケアマネジメントや献立作成、給食管理、食育活動などを通して、乳児期・高齢期の異なるライフステージの食と健康に携わってきました。その経験を活かし、現在はヘルスケアコラムライターとしても活動しています。生涯を通じて「おいしく食べて、健康にいきいきとした生活が送れるようお手伝いすること」をモットーに、専門知識をわかりやすく発信することを心がけています。

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