【管理栄養士監修】お正月太りはこう防ぐ!すぐできる4つのリセット術

お正月のおせち料理

※ヘルスケアライティングアカデミーを卒業した、弊社所属の専門家ライターが執筆した記事です。

「お正月太り」という言葉に、毎年うんざりしている方も多いのではないでしょうか。年末年始は食事量が増え、、運動が減るなど、体重が増えやすい時期です。実はこの体重増加は、誰にでも起こりやすい自然な変化なのです[1]。

今回は、管理栄養士の視点から「お正月太り」の本当の原因と、賢く乗り切るための方法を解説します。

目次

気のせいじゃない「お正月太り」の現実

「年末年始に体重が増える」という感覚は、決して気のせいではありません。

成人を対象とした複数の研究によると、クリスマスから新年にかけての長期休暇期間に体重が増加することが報告されています。さらにこの現象は世界に共通し、不規則な生活習慣、高エネルギー食の摂りすぎ、そして身体活動量の低下が主な要因です[1]。

日本人における肥満の現状

「少し太っただけ」と軽く考えがちなお正月太りですが、放っておくと慢性的な肥満につながることがあります。日本人の20歳以上の肥満者の割合は、男性で31.5%と高く、近年その数値は横ばいです。年末年始のわずかな体重増加も、元の体重に戻さないまま積み重ねることで肥満が常態化し、将来的に生活習慣病のリスクを高めると考えられています[1,2]。

お正月太りを防ぐ4つの心得

雑煮を食べる女性

お正月太りの体重増加には、「高エネルギー(カロリー)食の摂りすぎ」「不規則な生活習慣」「身体活動量の低下」が関係します[1]。今回は、食事、飲酒、運動、睡眠の4つの項目別に気をつけたいポイントをまとめましたので、それぞれの対処法をみていきましょう。

1. 食事の心得

年末年始はご馳走を囲む機会が増え、つい高カロリーな食事になりがちです。

早食いを見直すだけでも、エネルギーの摂りすぎを防ぐことができます。また、肉、魚、大豆製品などのたんぱく質をしっかり摂ることで満足感が持続し、体重のコントロールに役立ちます。さらに、野菜、きのこ、海藻類などの食物繊維は、肥満の予防に役立つ可能性があると言われています。

あわせて、エネルギー過剰摂取の原因となる甘い飲み物もできるだけ控えるようにしましょう[3,4]。

2. 飲酒の心得

アルコールはそれ自体にも1gあたり約7kcalのエネルギーがあるうえ、食欲増進にもつながります。

飲酒量は、1日あたりビールなら中瓶1本、日本酒なら1合程度を目安にし、飲酒中はこまめに水を飲むことで飲みすぎを防ぎましょう。また、「飲酒をしない日」を定期的に作り、一週間単位で量を調整するのも有効です[5]。

3. 運動の心得

毎日少しでも身体を動かすことが、体重増加を抑えるカギになります。

座りっぱなしの時間を減らし、1日約8000歩を目安に歩くことを意識しましょう。買い物や洗濯、掃除などの家事も立派な身体活動です。こうした時間の合間に、軽い体操を取り入れるようにしましょう[6]。

4. 睡眠の心得

年末年始は不規則な生活で生活リズムが乱れやすい時期。睡眠不足は、体重増加につながることがわかっています。

良質な睡眠を確保するためには、適度な運動習慣を身につけることが大切です。朝食をしっかり摂り、寝る直前の飲食を避けることで、体内時計が整いやすくなります。昼は活動的に、夜はリラックスして過ごすことを意識しましょう[1,7]。

少しの工夫の積み重ねでお正月太りを乗り越えよう

体重計にのる女性

お正月太りを防ぐ大切なポイントは、「体の変化」を理解し、小さな行動を積み重ねることです。今年こそお正月は、「体重が増える時期」ではなく、「健康習慣を始めるチャンス」に変えませんか?無理なく続けられる習慣で、心も体も軽やかに、新しい年をスタートさせましょう。

【参考文献】(すべて2025年10月15日閲覧)
[1] Guerrero-Magaña DE, et al. Interventions for the prevention of weight gain during festive and holiday periods in children and adults: A systematic review. Obes Rev. 2024 Sep 14;26(1):e13836.
[2] 厚生労働省, 令和5年国民健康・栄養調査, 第1章1.肥満及びやせの状況
[3] 日本肥満学会, 肥満症ガイドライン2022, 第4章
[4] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年, 炭水化物成分表編
[5] 厚生労働省, 健康に配慮した飲酒に関するガイドライン
[6] 厚生労働省, 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023
[7] 厚生労働省, 健康づくりのための睡眠ガイド 2023

著者プロフィール

管理栄養士・スポーツ栄養士  荒井  佳奈恵

管理栄養士・スポーツ栄養士
荒井 佳奈恵

『なりたいを叶える』スポーツ栄養士。自身にトランペット・バドミントン・バレーボール・器械体操・ボルダリング・トレッキングの経験があり、食でアスリートの心と身体を育てるために活動中。現在は高校ラグビー強豪校のサポートに従事。また予防栄養の分野を中心に、科学的根拠のある栄養学に基づいた指導を心掛け、特定保健指導、ダイエット指導、コラム執筆なども行う。食アスリート食トレセミナー講師、健康食育シニアマスター。

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