お酒の適量とはどのくらい?健康を守る飲酒量とおすすめおつまみの選び方【管理栄養士解説】

※ヘルスケアライティングアカデミーを卒業した、弊社所属の専門家ライターが執筆した記事です。
※健康・栄養に関するヘルスケアコラムの執筆・監修は、こちらよりご依頼いただけます。
お酒を飲む時間は、ほっと一息つける大切なひとときですね。でも、「自分にとってのお酒の適量は?」「健康のことを考えると、どんなおつまみを選べばいいの?」と迷うことはありませんか?
お酒は、少しの工夫で体にやさしく楽しむことができます。
この記事では、健康に配慮したお酒の付き合い方とおつまみの選び方を毎日の生活に取り入れやすい形でご紹介します。
人によって違う?お酒の感じ方と健康への影響
「以前より酔いやすくなった気がする」「次の日に残るようになった」そんなふうに感じたことはありませんか?実は、お酒の影響の出方には、個人差があります。ここでは、こうした個人差が生まれる理由を解説します[1]。
1.年齢の違い
年齢を重ねると体内の水分量が減るため、若いころと同じ量を飲んでも酔いやすくなります。また、平衡感覚や筋力の低下も重なることで、お酒による転倒や骨折のリスクが高まる点にも注意が必要です。
一方、20歳前後の若い世代では、脳がまだ発達の途中であり、過度にお酒を飲むことは、脳の働きや健康に悪影響を与えるおそれがあります。
2.性別の違い
一般的に女性は男性より体内の水分量が少なく、アルコール代謝能力も低いとされるため、同量の飲酒でもアルコールの影響を受けやすいことが知られています。
3.体質の違い
お酒を飲むと顔が赤くなったり、動悸がしたり、気分が悪くなったりする人は、アルコール分解酵素の働きが弱い体質が関係しています。この体質は遺伝の影響を受け、日本人の約41%にみられるとされています。
どのくらいが適量?健康を守るお酒の目安量
お酒を楽しむうえで、どのくらいの量が目安なのかを知っておくことは、とても大切です。
厚生労働省の『健康に配慮した飲酒に関するガイドライン』では、「1日あたりの純アルコール量が男性40g以上、女性20g以上」が、生活習慣病予防のリスクを高めるお酒の量とされています。
純アルコール量20gをお酒の種類別に置きかえると、おおよそ下記の量になります。
【純アルコール量20gの目安】
| お酒の種類 | 目安量 |
| ビール | 中びん1本(500ml) |
| 日本酒 | 1合(180ml) |
| ワイン | グラス2杯(約200ml) |
| 焼酎(25度) | 約100ml |
ただし、世界保健機関(WHO)では「お酒の量を減らすことが健康を守るうえで大切」と位置づけています。あくまでも上限の目安として参考にしましょう。
また、体格や性別、その日の体調によっても「ちょうどいい量」は変わります[1]。
自分のペースを大切にしながら、お酒を「上手に楽しむ」意識が大切です。
健康的にお酒を楽しむための4つのポイント

ポイント1. 今日はどれくらい飲む?量を決めて楽しむ
あらかじめ飲む量を定めることで、お酒の飲み過ぎを避けるなど飲酒行動の改善につながると言われています。行事やイベントなどの場でお酒を飲む場合も、「何をどれくらい飲むか」を決めておきましょう。
また、度数の高いお酒は少量でもアルコール摂取量が多くなるので注意が必要です[1]。
厚生労働省の飲酒チェックツール「アルコールウォッチ」を活用するのも一つの方法です。飲んだお酒を選ぶと、純アルコール量と分解時間のチェックができます[2]。
ポイント2. 食べながら、ゆっくり飲むのが健康のコツ
空腹のままお酒を飲んでいませんか?
お酒は、空腹の状態で飲むとアルコールの吸収が速くなり、血中のアルコール濃度が急上昇しやすくなります。食事やおつまみをとりながら、ゆっくり飲むことで、酔いのまわりがゆるやかになり、身体への負担を軽減することができます[1]。
ポイント3. 水をはさみながら飲んで、体への負担を軽減
お酒を飲むときは、「合間に水を飲むこと」を意識してみましょう。
血中アルコール濃度の上昇がゆるやかになり、ゆっくり分解、吸収できるようになります。アルコール度数が低いものやノンアルコールの飲み物も取り入れるといった工夫でも、体への負担はぐっと軽くなります[1]。
ポイント4. お酒をお休みする日をつくろう
毎日飲み続ける習慣があると、アルコール依存症につながる可能性があります。
一週間のうちに、「お酒を飲まない日」をつくることが大切です[1]。炭酸水やノンアルコールドリンクなど、「飲まない日」にも楽しめる飲み物を見つけておくと続けやすいですね。
何をつまむかで差がつく!健康を意識したおすすめおつまみの選び方
お酒のおつまみはどのようなものを選んでいますか?
揚げ物など、高カロリー、高脂質のおつまみを選びがちですが、満足感がある一方で、脂質や塩分(食塩)が多く、肥満や生活習慣病のリスクを高める原因になります[3,4]。
野菜サラダや酢の物、枝豆などの野菜料理を取り入れ、揚げ物ではなく焼き鳥や焼き魚などの焼き物を選ぶことで、摂取カロリーを抑えられます[3]。また、刺身や冷奴は、しょう油の量を控えめにして塩分のとり過ぎに気をつけましょう。
知っておきたい!健康を損ねやすい飲酒のNG行動3選
1. 一気飲みはキケン! ゆっくり味わおう
短時間にたくさんのお酒を飲むと、血中のアルコール濃度が急に上がり、急性アルコール中毒を引き起こす危険があります[1]。一気飲みは命に関わることもあるため、絶対に避けましょう。
2. 服薬中や体調不良のときはお酒を控えよう
病気の種類や薬の内容によっては、飲酒によって薬の効果が十分に発揮されなくなるほか、副作用が出やすくなる場合があります[1]。飲酒の可否、量や回数については、主治医に相談することをおすすめします。
3. 飲酒後すぐの運動や入浴は控えよう
お酒を飲んだあとの運動や熱いお風呂は、血圧の変動が大きくなり、心筋梗塞などを引き起こす可能性があります。また、転倒などにより怪我につながる可能性もあります[1]。酔いがさめてから運動や入浴をするようにしましょう。
お酒と上手に付き合って、毎日を健やかに

お酒は、人生を豊かにしてくれる楽しみのひとつですが、飲み方によっては体に負担がかかることもあります。「どれくらい飲むか」「飲まない日をつくる」「体調に合わせて調整する」など、少し意識を向けるだけで、体を大切にしながらお酒を楽しめます。
毎日の生活の中で、自分に合った「無理のないお酒との付き合い方」を見つけることが、健やかさを保つコツです。
【参考文献】(すべて2026年3月20日閲覧)
[1] 厚生労働省, 健康に配慮した飲酒に関するガイドライン
[2] 厚生労働省, アルコールウォッチ
[3] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)2023年増補
[4] 厚生労働省, 日本人の食事摂取基準(2025年版)
著者プロフィール

管理栄養士・防災士 Nemoto Mayumi
管理栄養士・防災士として、「女性が自分と家族の健康を大切にできる暮らし」をテーマに活動しています。妊娠・授乳期の栄養、離乳食・幼児食、そして大人世代の食生活まで、ライフステージに寄り添いながら無理なく続けられる食の工夫を発信。栄養の知識に加え、防災士としての視点から、もしもの時にも役立つ食の備えや、家族を支える日常の食卓づくりを大切にしています。
