ナッツは健康に良いって本当?5つの代表ナッツ栄養成分と効果とは【管理栄養士が解説】

ナッツ

※ヘルスケアライティングアカデミーを卒業した、弊社所属の専門家ライターが執筆した記事です。
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ナッツは「健康に良いおやつ」として人気がありますが、具体的にどのような点が健康に役立つのか、実はよく知らないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、ナッツの種類やエネルギー量、含まれる栄養の特徴、そして普段の生活での上手な取り入れ方について、管理栄養士の視点からわかりやすく解説します。

目次

そもそもナッツって何?

ナッツとは、固い殻に包まれた食用の木の実のことを指します[1]。アーモンド、くるみ、カシューナッツ、ピスタチオなどが代表的で、『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』では、「種実類」として分類されています[2-6]。

ピーナッツは名前に「ナッツ」とつきますが、厳密には豆類であり、種実類ではありません。ですが、脂質が多いため、『日本食品標準成分表』では、種実類として扱われています[7]。

ナッツが健康に良いといわれる理由とは?

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ナッツの栄養で最も大きな特徴は、全体の約50%以上を「脂質」が占めている点にあります。その脂質の多くは、「一価不飽和脂肪酸」のオレイン酸や「多価不飽和脂肪酸」のリノール酸です。「多価不飽和脂肪酸」は体内でつくることができない必須脂肪酸で、食事からしっかり摂りたい成分のひとつです[2-6,9]。

脂質は、その種類やバランスを意識して摂ることが大切です。中でも摂りすぎに注意したいのが「飽和脂肪酸」です。日本人は「飽和脂肪酸」の摂取量が多い傾向にあり、摂りすぎると脂質異常症や肥満などの生活習慣病のリスクを高めるとされています[8,9]。「飽和脂肪酸」を「一価不飽和脂肪酸」や「多価不飽和脂肪酸」に置き換えることで、心不全や脳卒中などの循環器疾患の発症リスクを下げられる可能性が報告されています[9]。

ナッツは「一価不飽和脂肪酸」や「多価不飽和脂肪酸」を多く含む一方で、「飽和脂肪酸」は比較的少な目です。そのため、脂質のバランスを整え、毎日の健康づくりに役立つことが期待されます[2-6]。

また、ナッツには脂質だけでなく、様々な栄養素が含まれています。栄養価の特徴は、種類ごとに異なるので、代表的な5種類のナッツ(アーモンド、くるみ、カシューナッツ、ピスタチオ、ピーナッツ)について詳しくみてみましょう[2-6]。

一目でわかる!ナッツ5種類の栄養素比較

代表的なナッツ5種類(アーモンド、くるみ、カシューナッツ、ピスタチオ、ピーナッツ)、手のひら一杯分(25g)に含まれる栄養素を下の表にまとめてみました[2-6]。

※消費者庁の『食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン』に基づき、豊富に含まれる栄養素は太字で、かつ5種類の中で最も多いものは赤のマーカーで示しています[10]。

【ナッツの栄養素比較】

アーモンド/いりくるみ/いりカシューナッツ/フライ/味付けピスタチオ/いり/味付けピーナッツ(らっかせい)/大粒種/いり
エネルギー
(kcal)
152178148154153
炭水化物
(g)
5.22.96.75.25.3
たんぱく質
(g)
5.13.75.04.46.3
脂質
(g)
13.517.211.914.012.4
飽和脂肪酸
(g)
1.031.722.491.542.25
一価不飽和脂肪

(g)
8.772.576.947.736.14
多価不飽和脂肪酸
(g)
3.1612.572.024.113.71
食物繊維
(g)
2.81.91.72.31.8
カリウム
(mg)
185135148243190
カルシウム
(mg)
6521103013
マグネシウム
(mg)
7838603050

(mg)
0.90.71.20.80.4
亜鉛
(mg)
0.90.71.40.60.8

(mg)
0.300.300.470.290.17
ビタミンA
(μg)
01030
ビタミンD
(μg)
00000
ビタミンE
(mg)
7.30.30.20.42.5
ビタミンK
(μg)
0277微量
ビタミンB1
(mg)
0.010.070.140.110.06
ビタミンB2
(mg)
0.260.040.050.060.03
ナイアシン
(mg)
1.91.11.81.47.0
ビタミンB6
(mg)
0.020.120.090.310.12
ビタミンB12
(μg)
00000
葉酸
(μg)
1223161515
パントテン酸
(mg)
0.070.170.330.270.55
ビオチン
(μg)
528
ビタミンC
(mg)
00000
【出典】文部科学省『 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』[2-6]

種類別にチェック!ナッツに含まれる栄養の特徴

ナッツ

それぞれのナッツに特徴的な栄養素と、その働きにについて詳しくご紹介します。

アーモンド

アーモンドは、ナッツの中でも特に、カルシウムやマグネシウム、ビタミンE、ビタミンB2、食物繊維が豊富です[1,10]。

【各栄養素の機能】[9]
カルシウム・マグネシウム:丈夫な骨や歯を維持することに役立つ
ビタミンE:強い抗酸化作用で細胞の健康維持をサポートする
ビタミンB2:エネルギー産生に不可欠な栄養素で、皮膚や粘膜の健康維持に関わる
食物繊維:生活習慣病の発症・重症化予防や、便秘の改善をサポートする

くるみ

くるみは、必須脂肪酸の「多価不飽和脂肪酸」を特に豊富に含み、含有量は他のナッツの約3~6倍にのぼります。また、葉酸も豊富に含まれるため、特に妊娠を計画している方や妊娠中の女性など、葉酸をしっかり摂りたい方におすすめです[2,9,10]。

【各栄養素の機能】[9]
葉酸:DNAの合成に重要な役割を持ち、胎児の発育に関与する

カシューナッツ

カシューナッツはナッツの中でも特に、ビタミンB1や鉄、亜鉛、銅などのミネラルが豊富に含まれます。鉄が豊富であることから、特に月経のある女性や、妊娠中、授乳中の女性におすすめしたいナッツです[3,9,10]。

【各栄養素の機能】[9]
ビタミンB1:糖質の代謝に関わり、エネルギーを生み出す
鉄:血液の材料となり、貧血予防に重要な役割を持つ
亜鉛:味覚や免疫機能の維持などに役立つ
銅:複数の酵素が働くために欠かせない成分で、エネルギー生産や鉄の代謝などに関わる

ピスタチオ

ピスタチオはナッツの中でも特に、カリウムやビタミンB6が豊富に含まれます[4,10]。

【各栄養素の機能】[9]
カリウム:塩分を体外に出すのを助け、血圧を下げる働きを持つ
ビタミンB6:たんぱく質の代謝に関わり、皮膚の健康維持をサポートする

ピーナッツ

ピーナッツはナッツの中でも特に、たんぱく質が豊富に含まれます。また、ナイアシン、パントテン酸、ビオチンなどのビタミンも多く含まれます[5,10]。

【各栄養素の機能】[9]
ナイアシン:アルコール代謝や、ビタミンC・ビタミンEの代謝に関わる
パントテン酸:脂質の代謝を助け、エネルギー産生に欠かせない役割を担う
ビオチン:抗炎症物質を生成し、アレルギー症状を和らげる働きを持つ

ナッツはいくらでも食べてOK?おすすめの取り入れ方は?

健康に良いからといって、食べ過ぎには注意が必要です。1日の目安量として、ナッツ手のひら1杯分の25g(約200kcal)程度と考えておくと良いでしょう。

おすすめの取り入れ方は、甘いおやつをナッツに「置き換える」方法です。チョコレートやケーキなどの甘いおやつには、「飽和脂肪酸」が多く含まれていることがあります。これらをナッツに替えることで、「一価不飽和脂肪酸」や「多価不飽和脂肪酸」へと自然に置き換えやすくなります。ナッツ手のひら1杯分(25g)は、チョコレート3粒(30g)、シュークリーム1個(80g)、クッキー3枚(30g)とおよそ同じエネルギー量になります。置き換える時の参考にしてみてください。

また、市販のナッツの中には塩で味付けされたタイプも多くあります。食塩の摂りすぎを防ぐため、できるだけ無塩タイプを選ぶと良いでしょう[2-6,9]。

ナッツへの「置き換え」で、健康に良い食習慣に

ナッツ

栄養バランスの良い食事の基本は、まず1日3食をしっかりと摂ることです[9]。ナッツを「健康のために」と、無理にたくさん取り入れようとするのではなく、日頃の間食を見直し、「置き換え」を上手に活用することで、より良い健康的な食習慣を作っていきましょう。

【参考文献】(すべて2026年3月5日閲覧)
[1] 日本ナッツ協会, ナッツについて
[2] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年, 種実類/アーモンド/いり/無塩
[3] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年, 種実類/くるみ/いり
[4] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年, 種実類/カシューナッツ/フライ/味付け
[5] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年, 種実類/ピスタチオ/いり/味付け
[6] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年, 種実類/らっかせい/大粒種/いり
[7] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂), 食品詳細 種実類/らっかせい/大粒種/いり
[8] 厚生労働省, 令和5年国民健康・栄養調査報告, 栄養摂取状況調査の結果
[9] 厚生労働省, 日本人の食事摂取基準(2025年版)
[10] 消費者庁, 食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン

著者プロフィール

管理栄養士・登録販売者  Chinami

管理栄養士・登録販売者  Chinami

漢方薬メーカーで研究開発に携わる管理栄養士。漢方薬との出会いをきっかけに、本格的に体調を崩す前の「未病」の段階から、心身を整えることの大切さと可能性を感じるようになりました。現在は、「東洋医学×栄養学」を軸に、日々の暮らしに取り入れやすいおうちケアを研究し、漢方・栄養相談やヘルスケアコラムの執筆にも取り組んでいます。エビデンスに基づき、「なぜ体に良いの?」をわかりやすく伝えることを大切にしています。

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