カップ麺は体に悪い?3つの理由と今日からできる食べ方の工夫【管理栄養士解説】

カップ麺

※ヘルスケアライティングアカデミーを卒業した、弊社所属の専門家ライターが執筆した記事です。
※健康・栄養に関するヘルスケアコラムの執筆・監修は、こちらよりご依頼いただけます。

お湯を注ぐだけで手軽に食べられるカップ麺は、忙しい日のランチや夜食に便利な食品です。その一方で、「体に悪いと聞くけれど、本当なのかな」と感じている人も多いのではないでしょうか。では、なぜ体に悪いと言われるのか、その具体的な理由を知っていますか?この記事では、科学的根拠をもとに、管理栄養士が分かりやすく解説します。

目次

カップ麺はなぜ体に悪いといわれるの?3つの理由

まずは、一般的なカップ麺1食分に含まれる栄養素を見てみましょう。

【即席カップめん(油揚げ・しょうゆ味・調理後)1食(400g)あたりの栄養成分】

栄養素名
エネルギー(カロリー)405kcal
たんぱく質9.2g
脂質18g
炭水化物51.6g
食物繊維総量5.6g
カリウム170mg
カルシウム180mg
マグネシウム24mg
0.8mg
亜鉛0.4mg
0.08mg
ビタミンA(レチノール活性当量)12μgRAE
ビタミンE(α-トコフェノール)2.4mg
ビタミンK8μg
ビタミンB10.56mg
ビタミンB20.48mg
ナイアシン当量2.4mgNE
ビタミンB60.04mg
ビタミンB12微量
葉酸12μg
パントテン酸0.2mg
ビオチン2.4μg
ビタミンC4mg
食塩相当量6g
【出典】文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年, 穀類/こむぎ/[即席めん類]/中華スタイル即席カップめん/油揚げ/しょうゆ味/調理後全体/(添付調味料等を含むもの)[1]  ※エネルギー以外は推定値です。

では、どのような点が「体に悪い」と言われるのか、その理由をみていきましょう。

(1)「飽和脂肪酸」の摂りすぎになりやすい

カロリーだけを見ると極端に高くはありません。一方で、注目したいのは脂質の種類です。
脂質にはさまざまな種類があります。その中でも「飽和脂肪酸」は、生活習慣病予防として摂りすぎに注意したい脂質です[2]。カップ麺の脂質18gのうち、「飽和脂肪酸」が7.8g含まれています[1]。これは1日の目標量の上限から考えると、20代男性では約4割、女性では約5割に相当する量です[2]。

(2)1食で1日分に近い「塩分(食塩)」を摂ってしまう

カップ麺で特に気をつけたいのが塩分です。スープまで飲み干すと、1食で塩分を6g摂ることになります[1]。『日本人の食事摂取基準(2025年版)』では、生活習慣病を予防するための1日の目標量を男性7.5g未満、女性6.5g未満としています。つまり、1食で1日分の塩分量に近づき、さらに他の食事も合わせると、摂りすぎになってしまう可能性があります。塩分の摂りすぎが続くと、高血圧のリスクを高めるので注意が必要です[2]。

(3)栄養バランスが偏りやすい

『日本人の食事摂取基準(2025年版)』をもとに、18〜29歳男性の1日当たりの基準値の3分の1を1食分の目安として比較しました。その結果、たんぱく質、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ビタミンA、D、K、ナイアシン当量、ビタミンB6、B12、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンCは、いずれも1食分の目安の50%未満でした[1,2]。これらの栄養素は、体のさまざまな働きを支えるために欠かせません。

例えば、たんぱく質は筋肉や髪の毛、肌の材料となる大切な栄養素です。18〜29歳では、1日に65g(男性)、50g(女性)のたんぱく質を摂ることが勧められています[2]。一方、カップ麺1食では約9gしか摂れません[1]。このように、カップ麺だけでは不足しやすい栄養素を十分に補えず、栄養バランスが偏りやすくなります。

一人暮らしでも簡単!カップ麺を食べるときの4つの工夫

カップ麺を食べる女性の手

カップ麺で気になりやすい「飽和脂肪酸」「塩分」「栄養バランス」は、ちょっとした工夫で偏りを減らせます。実家を離れて忙しい毎日を送る20代の方でも、コンビニで手軽に購入できる食品を組み合わせるだけで、栄養バランスを整えやすくなります。
ここでは今日から実践できる4つの工夫をご紹介します。

1.飽和脂肪酸の多い食品を組み合わせすぎない

飽和脂肪酸は、ソーセージやチキンナゲット、鶏の唐揚げなどの加工食品や肉類のほか、シュークリームやチーズケーキなどの洋菓子、ポテトチップスなどのスナック菓子に多く含まれています[3]。
カップ麺と一緒に食べるのは控えめにしましょう。

2.スープは飲み干さない

塩分を摂る量を減らすためには、スープを残すことが効果的です[3]。「麺だけを食べる」と意識するだけでも塩分をカットできます。

3.不足しやすい栄養素を補う

カップ麺だけでは不足しやすい栄養素を補うために、組み合わせやすい食品を紹介します。なお、表の栄養素は、食品100g当たりの成分値が、消費者庁の栄養強調表示「含む」と表示できるものです[4]。

【カップ麺にプラスしたいおすすめコンビニ食品】

食品名補える栄養素
ゆで卵たんぱく質、鉄、ビタミンA、D、ナイアシン、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ビオチン
サラダチキン(ささみ)たんぱく質、ナイアシン、ビタミンB6、パントテン酸
さばの缶詰(水煮)たんぱく質、鉄、亜鉛、銅、ビタミンD、ナイアシン、ビタミンB6、B12
ツナの缶詰(まぐろ水煮)たんぱく質、ビタミンD、ナイアシン、ビタミンB6、B12
納豆たんぱく質、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ビタミンK、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、パントテン酸、ビオチン
青汁(ケール)たんぱく質、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、
ビタミンA、K、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC
ほうれん草の和え物カリウム、ビタミンA、K、葉酸、ビタミンC
ブロッコリーのサラダビタミンK、葉酸、ビタミンC

※サラダチキンは「ささみ(ゆで)」、ほうれん草の和え物は「ほうれん草(ゆで)」、ブロッコリーのサラダは「ブロッコリー(ゆで)」の成分値を用いています。

また、商品によっては、ビタミンB1、ビタミンB2、カルシウムなどが添加されているものもあります。栄養成分は商品によって異なるため、購入時に栄養成分表示を確認するとよいでしょう。

4.主食の重ね食べを控える

カップ麺だけでは物足りないからと、つい一緒におにぎりや菓子パンを買っていませんか?残ったスープにご飯を入れることもあるでしょう。カップ麺にこれらを合わせると、主食にあたる食品が重なり、カロリーや炭水化物の量が増えます[3]。食べる量や組み合わせを意識して選びましょう。

カップ麺は食べ方を工夫することが大切

コンビニサラダのイメージ

カップ麺は塩分や飽和脂肪酸が多く、不足しやすい栄養素もあるため、食べ方には工夫が必要な食品です[1,2]。しかし、忙しい20代の強い味方であることも事実です。我慢するより、「スープを残す」「ゆで卵や野菜を足す」といった食べ方を工夫して、栄養バランスを意識した食べ方を心がけましょう。

【参考文献】(すべて2026年8月11日閲覧)
[1] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年, 穀類/こむぎ/[即席めん類]/中華スタイル即席カップめん/油揚げ/しょうゆ味/調理後全体/(添付調味料等を含むもの)
[2] 厚生労働省, 日本人の食事摂取基準(2025年版)
[3] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
[4] 消費者庁, 食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン, 第5版, 食品表示基準 別表第12

著者プロフィール

管理栄養士 宮嶋かおり

管理栄養士
宮嶋かおり

総合病院勤務を経て、レシピ制作や食に関わる情報発信に携わってきました。現在は、公的資料や研究などの根拠をもとに、栄養や健康について、やさしい言葉で伝える記事やコラムを執筆しています。 特に、20代の一人暮らしや、これから自立していく世代に向けて、「自分で食事をととのえる力」につながる記事づくりを大切にしています。読者が「今日からやってみよう」と思えるような、実践しやすい情報をお届けします。

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