高齢者の骨粗鬆症予防のために見直したい食事のポイント

※ヘルスケアライティングアカデミーを卒業した、弊社所属の専門家ライターが執筆した記事です。
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「骨の健康」を意識して、普段食事をしていますか?血圧や血糖値は気にしていても、骨について考える機会はあまり多くないかもしれません。
しかし、高齢期を自分らしく過ごすためには、骨の健康にも目を向けたいところです。骨粗鬆症予防と聞くと、まずカルシウムを思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、高齢期の食事で意識したいのはカルシウムだけではありません。
この記事では、低栄養や介護予防の視点も踏まえながら、高齢者の骨粗鬆症予防に役立つ食事のポイントを紹介します[1]。
高齢者の骨粗鬆症予防で大切なこと
骨は一度作られたら終わりではありません。古い骨を壊す「骨吸収」と新しい骨を作る「骨形成」を繰り返しながら、常に作り替えられています。
年齢を重ねるにつれて骨量は少しずつ減っていきます。特に女性では、閉経後に女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少し、骨量が低下しやすくなることが知られています。高齢期の骨粗鬆症予防には、加齢による骨密度の低下をできるだけ小さくすることが重要です[1,2]。
高齢者の骨粗鬆症予防では低栄養にも注意

骨の健康を考えるときは、体重にも目を向けたいところです。『日本人の食事摂取基準(2025年版)』では骨粗鬆症予防のために、痩せすぎないことも大切とされています。
令和6年の『国民健康・栄養調査』では、低栄養傾向(BMI20以下)の人の割合は、65歳以上男性で12.7%、女性で25.2%でした。特に女性では、およそ4人に1人が低栄養傾向にあります[1,3]。
骨粗鬆症予防に欠かせないカルシウム
骨の主な成分はカルシウムです。骨量を維持するためには、十分に摂取する必要があります。では、実際に日本人は必要な量のカルシウムを摂れているのでしょうか。
【65〜74歳の1日に必要なカルシウムの量と日本人の平均摂取量】
| 65〜74歳 | 1日に必要な量 ※1 | 日本人の平均摂取量 ※2 |
| 男性 | 600mg | 540mg |
| 女性 | 550mg | 524mg |
※2 令和6年国民健康・栄養調査を参照
上記の表の通り、65〜74歳の男女ともにカルシウム摂取量は、不足を防ぐために1日に摂りたい量(推定平均必要量)を下回っていました[1,3]。
「カルシウムを摂らなければ」と考えると、食事を大きく変える必要があるように感じるかもしれません。では、身近な食品からどのくらいカルシウムを摂ることができるのでしょうか。
【日常の食事に取り入れやすいカルシウムを含む食品】
| 食品 | 目安量 | 目安量あたりのカルシウム量(mg) |
| 牛乳 | コップ1杯(200ml) | 220 |
| ヨーグルト | 1パック(100g) | 120 |
| 木綿豆腐 | 半丁(150g) | 140 |
| 小松菜(ゆで) | 1/2束(100g) | 150 |
| しらす干し | 大さじ2(10g) | 50 |
例えば、味噌汁に豆腐を加える、ご飯にしらす干しをのせる、副菜に小松菜のおひたしを取り入れるなどの方法があります。新しい料理を一品増やす必要はありません。いつもの食事にカルシウムを含む食品をプラスすることから始めてみてはいかがでしょうか[4]。
カルシウムとあわせて意識したいビタミンD

『日本人の食事摂取基準(2025年版)』では、体内のビタミンDの状態を適切に保つことは、骨粗鬆症予防の観点から重要と考えられています。しかし、食品から摂取を増やした場合に、リスク低下につながるかはまだ十分にわかっていません。ビタミンDは食事だけでなく、日光を浴びることで体内でも作られる栄養素です。体内のビタミンDを維持するためには、魚やきのこ類などの食品から摂取するとともに、適度に日光を浴びることが大切です[1,4]。
毎日の食事から骨粗鬆症予防を始めよう
高齢期の骨粗鬆症予防では、痩せすぎないことに注意しながら必要な栄養素を摂ることが大切です。まずは現在の食事や体重の状態を振り返ることから始めてみましょう。さらに、自分の骨の状態を知るためには、骨密度検査や骨粗鬆症検診も一つのきっかけになります。これからも自分らしい生活を続けるために、毎日の食事から骨の健康に目を向けてみてはいかがでしょうか[1,2]。
【参考文献】(すべて2026年7月21日参照)
[1] 厚生労働省,日本人の食事摂取基準(2025年版)
[2] 日本骨粗鬆症学会,骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版
[3] 厚生労働省,令和6年国民健康・栄養調査
[4] 文部科学省,日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
著者プロフィール

介護食専門管理栄養士ライター・介護福祉士
長沼りな
介護施設で多くの方の「食べる喜び」に触れてきた経験を活かし、介護食や高齢者栄養、摂食嚥下を中心に執筆しています。専門的な情報も毎日の食生活に役立てられるよう、わかりやすくお伝えしています。好きなものをおいしく食べられる期間を少しでも長くすること、そして「もっと早く知っていれば」という食べることへの後悔を減らすための情報発信を大切にしています。
