骨粗鬆症予防は牛乳だけでいい?カルシウムの上手な摂り方を管理栄養士が解説

「骨粗鬆症予防には牛乳がよい」と聞いたことはありませんか?一方で、「毎日牛乳を飲まないといけないの?」「牛乳が苦手な場合はどうすればいいの?」と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
この記事では、最新の研究をもとに、牛乳と骨の健康の関係について解説し、毎日の食事に牛乳を取り入れるコツについて管理栄養士が詳しくご紹介します。
牛乳は、骨粗鬆症予防に本当に役立つ?最新情報をチェック!

2025年には、これまでに報告された複数の研究をまとめ、牛乳・乳製品の摂取と骨密度、骨粗鬆症、骨折などとの関係を検討した研究が報告されました[1] 。
牛乳・乳製品と骨の健康の関連とは?
この研究では、乳製品、とくに牛乳の摂取は、骨密度が高いことと関連していました。ただし、すべての研究で同じ結果が得られているわけではなく、測定する骨の部位などによっても違いがみられています。
一方、牛乳・乳製品の摂取と骨粗鬆症との関係については、研究によって結果が異なっていました。また、牛乳や乳製品を多く摂ることで骨折を予防できるかについても、結果は一致していません。つまり、牛乳・乳製品は骨密度に良い影響を与える可能性があるものの、「牛乳を飲めば骨粗鬆症や骨折を予防できる」とは言い切れないのが現状です[1]。
牛乳・乳製品には骨の健康に関わる栄養素が含まれる
では、なぜ牛乳・乳製品と骨の健康との関係が注目されているのでしょうか。
牛乳・乳製品には、カルシウムをはじめ、たんぱく質やリン、マグネシウム、カリウムなど、骨の健康に関わるさまざまな栄養素が含まれています[2]。そのため、牛乳を「骨粗鬆症を予防する食品」と考えるのではなく、骨の健康に関わる栄養素が摂れる食品の一つとして捉えることが大切だと言えそうです。
牛乳から、カルシウムはどのくらい摂れる?
牛乳にはさまざまな栄養素が含まれていますが、ここでは骨の材料となる「カルシウム」に注目し、1日の必要量と比べてみましょう。
牛乳200mLで必要量の約3割
普通牛乳コップ1杯(200mL)には、カルシウムが約220mg含まれています[2]。『日本人の食事摂取基準(2025年版)』では、骨の健康を維持するために必要なカルシウム量は、18〜64歳女性は650mg/日、18〜29歳男性は800mg/日、30〜64歳男性は750mg/日とされています。つまり、牛乳をコップ1杯(約200mL)飲むと、成人の1日に必要なカルシウムのおよそ3割を摂ることができるのです[3]。
必要なカルシウムを牛乳だけで補おうとすると、1日にコップ3〜4杯程度飲むことになります。牛乳だけで必要量を補うのではなく、さまざまな食品を組み合わせ、食事全体からカルシウムを摂ることが大切です [3,4]。
毎日の食事で牛乳を上手に取り入れる3つのコツ

牛乳は、飲み物や料理、デザートにも活用できます。
1.飲み物にちょい足しして取り入れる
コーヒーや紅茶、ココア、スムージーなど、牛乳と相性が良い飲み物にちょい足ししてアレンジして楽しむ方法もあります。朝食のお供や、休憩時間の一杯として取り入れるのがおすすめです。
2.スープやシチュー、グラタンなどの料理に使う
ポタージュや味噌汁などの汁物、クリームシチューやグラタンなど、料理にも幅広く活用できます。野菜やきのこ、肉、魚、豆腐など、他の食品と組み合わせることで、カルシウムだけでなく他の栄養素も摂ることができます。
3.ミルクゼリーやミルクプリンなどをデザートに取り入れる
ミルクゼリーやミルク寒天、ミルクプリンなどのデザートを手作りするのもおすすめです。フルーツを加えると彩りもよく、食べやすくなります。
牛乳が苦手でも大丈夫!カルシウムを補う4つの方法

牛乳が苦手な場合や飲む習慣がない場合は、無理に牛乳にこだわって飲む必要はありません。牛乳以外の食品も上手に取り入れて、カルシウムを補いましょう。
1.朝食や間食に乳製品を取り入れる
ヨーグルト100gには約120mg、プロセスチーズ1ピース(18g)には約110mgのカルシウムが含まれています[3]。朝食や間食に取り入れやすく、忙しい日でも手軽に食べやすい食品です。
2.ご飯やおかずにしらす干しや桜えびを加える
しらす干し(半乾燥品)10gには約50mg、桜えび(素干し)5gには約100mgのカルシウムが含まれています。塩分も含まれるため、一度にたくさん食べるのではなく、ご飯やサラダ、冷奴などに少量ずつ加えて取り入れましょう[2]。
3.大豆製品を毎日の食事に取り入れる
納豆1パック(40g)には約36mg、木綿豆腐1/2丁(150g)には約140mgのカルシウムが含まれています[2]。納豆はご飯のお供だけでなく、大根おろし納豆、ほうれん草の納豆和えなど、野菜と和えて副菜にアレンジするのもおすすめです。また、麻婆豆腐や肉豆腐、豆腐ハンバーグなどの主菜にも活用できます。
4.葉物野菜を副菜に取り入れる
生の水菜70gには約150mg、茹でた小松菜70gには約100mgのカルシウムが含まれています[2]。水菜はサラダに、小松菜はお浸しや炒め物にするなど、副菜の一品として取り入れてみましょう。
牛乳はカルシウム源の一つ。毎日の食事で骨の健康を支えよう
骨の健康を維持するうえで、カルシウムは必要な栄養素の一つです。牛乳はカルシウムをはじめ、骨の健康に関わるさまざまな栄養素を含んでいますが、牛乳を飲むだけで骨粗鬆症を予防できるとは言い切れません。
牛乳だけに頼るのではなく、今回ご紹介した食品も組み合わせながら、自分に合った方法で骨の健康を支える食生活を続けていきましょう。 [1-4]。
【参考文献】(すべて2026年8月17日閲覧)
[1] Payam Sharifan et al. Dairy Consumption and Risk of Cardiovascular and Bone Health Outcomes in Adults: An Umbrella Review and Updated Meta-Analyses.Nutrients 2025, 17(17), 2723
[2] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
[3] 厚生労働省, 日本人の食事摂取基準(2025年版)
[4] 日本骨粗鬆症学会, 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2025年版
著者プロフィール

管理栄養士
柴田 満里子
特定保健指導など延べ3000件以上の栄養相談に携わる管理栄養士。生活習慣病予防や骨活(ほねかつ)、子どもの食育を中心に、科学的根拠に基づきながら“毎日の生活で続けやすい健康習慣”をわかりやすく発信している。管理栄養士としての現場経験を活かし、専門性と実践性を両立した記事執筆を行っています。
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